支援って何?

みなさん、こんにちわ。社会福祉法人SHIPヒューマンリソース推進室の若林佳史です。

みなさん毎日充実していますか?   毎日楽しいですか?   
悩んでいませんか?
 
あっ、仕事の話です。
 
福祉の業界に入って20年ほどになりますが、かなり悩んできました。充実はそれなりにしてきたし楽しくもあるのですが・・・・・・。
 
支援者は利用者の人生を左右します。
 
だから・・・・・、いつもこれで良いのか悩んでいます。
 
そんな中ずっとずっと心にあったのは、
「なんで健常者に合わせなきゃいけないの?」
「同じ人間だよね?」
「同等だよね?」
「人と違ったらダメなの?」ってことです。
 
「そんなことはわかってる」なんて言われそうですが、日本は障害者だけでなく、なんでも優劣でとらえてしまう気がします。しかも多数派が正しいなんて幻想を持っている気がします。外国は多民族国家が多く、異なる文化が当たり前に日常の中で存在します。様々な民族の勢力が拮抗してれば異なる文化を認めざるを得ないですよね。でも日本は島国で単一民族国家に近いので、多数派の力が強いのだと思います。
普通が幸せなんて幻想があります。
 
「普通って何でしょうね?」

自分を抑えてまで、周りに合わせていれば人は幸せになれるのでしょうか?日本はマイノリティーにつらい国で、だから福祉も保護するが自由のないパターナリズムに陥るのかな?なんて思います。
 
 「上から目線の支援になっていませんか?」
 
健常者の基準で価値観を押し付けているような対応を現場でもよく見かけます。
 
「ゴールはそれぞれでいいんじゃないかな」
 
本来誰でも自分らしく生きるほうが幸せだと思いますが・・・・・・
それはそれで責任も伴うので大変です。   
 
世知辛い世の中ですね。
 
社会で共存していくためには、適応することも大事です。
ただ、健常者の社会ルールに合わせるだけでなく、その人に何が必要で何が必要でないのか、個々に合わせたアセスメントが必要になるかと思います。
 
「支援者が一方的にこうあるべきと考えて支援してはいませんか?」
 
画一的な支援では必ず適応できない人が生まれます。
 
人を支援するって本当に難しいですね。
 
そんな日々の中で1年半前ノースカロライナのTEACCHの視察研修に参加しました。これまでTEACCHについて構造化や手法についてはかじっていましたが、理念についてはあまり知りませんでした。あらためて勉強し、TEACCHの手法だけでなく考え方に触れました。TEACCHは人と違うことを悪いことと考えず、支援者・専門家を違う文化の通訳者と考えます。そして、ASDの人たちを変えるのではなく、障害ではなく異文化として受け入れ、お互い尊敬の念をもって一緒に地域で暮らしていくことをゴールとしています。その実現のために数々のアセスメントや技法を積み上げていっているのです。
 
非常に共感しました。

精神障害者を支援していても、原因に発達障害がある場合が多くみられます。一説では精神疾患の5割くらいは発達障害を併存していると言われています。直接表面化している症状だけ薬物で押さえても、それだけでは人生の充実は望めません。
 
「薬で安定すればまわりは困んないだろうけど、
       それだけでは本人の人生は充実するのでしょうか?」
 
薬も必要ですが、支援者には支援者の仕事があります。
 
支援者は健常者の価値観で考えるのではなく、もっと利用者の異なった文化を理解する必要があります。伝え方も学ばなければなりません。そうすれば異なった文化とも共存できます。そのためにはSHIP全体の障害特性に対する理解をもっと深めなくてはなりません。相手を知らなくては質の高い支援できませんよね。
 
いや~、もっと努力しなくては・・・・・・・。
 
それが私、ヒューマンリソース推進室の仕事です。
 
【障害は社会にある】【社会が変われば障害はなくなる】
そんな考え方があります。
 
きれいごとかもしれない、理想かもしれない。だけど・・・・・
 
現場でもみんな日々悩んでいるといると思います。
忙しそうだからとか考えずに、ひとりで悩まずに遠慮なく相談してください。
役職など関係なく、職員全員がSHIPを創り上げていく大切な存在です。
学んだこと、考えていること、悩んでいること、みなさんと共有でき一緒に考えていけたらうれしいです。

そしてSHIPの理念である、【新しい人間環境の創造】
 
 みんなが力を出し合い、みんなで幸せになれる社会を創り上げていきましょう。