【職員インタビュー】安心して働けることが、ご利用者の安心につながる
『サード八王子』佐藤さん
「職員が安心して働けることが、利用者さまの安心にもつながる」
今回は、グループホーム「サード八王子」でサービス管理責任者として働く佐藤さんに、
これまでの歩みやスタッフ育成、これからの事業所づくりについてお話を聞きました。
高齢者介護から、もう一度 障害福祉へ
――これまでのキャリアを教えてください。
佐藤
高校卒業後にヘルパー1級の資格を取り、実習でお世話になった知的障害者施設に入職しました。1年半ほど働いたあと、フリーターの時期を挟んで、有料老人ホームに入職しました。
有料老人ホームでは9年ほど働きました。ご利用者様の終の棲家として、穏やかに過ごしていただくための支援にはやりがいを感じていました。
ただ、その一方で、自分自身の成長や今後のキャリアを考えたときに、このままでいいのかなという思いもありました。看取りの機会が多いことへの負担感もあって、転職を考えるようになりました。
――SHIPを選んだ理由は何だったのでしょうか?
佐藤
転職エージェントから紹介してもらったのがきっかけです。当時は、障害福祉に戻ろうと決めていたわけではなく、福祉分野の中で、自分の経験を活かせる職場を幅広く探していました。
その中でSHIPを知って、社会福祉法人であることや、これから事業が広がっていく可能性があること、支援の専門性を学べることに魅力を感じて入職しました。
実際に入ってみると、障害者支援、特に自閉スペクトラム症の方への支援には専門性が必要だと感じました。入職当初は知識がほとんどありませんでしたが、不安というよりは、知らないことを知ることができる楽しさの方が大きかったですね。

初めての経験を、ひとつずつ
――SHIPでは、どんな経験をしてきましたか?
佐藤
生活介護の「笑プラス(えみプラス)」で一般職として経験を積み、その後、主任を任せてもらいました。それから新規開設の生活介護「笑スリー(えみスリー)」を経験し、現在はサード八王子でサービス管理責任者としての業務を学んでいます。
笑プラスでは、自分に足りない支援の知識を補うために、先輩職員を参考にしたり、分からないことをサービス管理責任者に聞いたりしながら経験を積んできました。
主任になってからは、適切な支援を提供するための枠組みづくりや、職員育成のためのOJTの仕組みづくりにも関わりました。
笑スリーは新規開設だったので、設備面の準備など、それまでとは違う経験もしました。初めてのことばかりでしたが、そのたびに自分に足りないものが分かり、周囲の職員に助けてもらいながら学んできたと思います。
「働きやすさ」を感じたサード八王子
――サード八王子に来て、まず感じたことは?
佐藤
最初に「いいな」と思ったのは、職員の雰囲気ですね。
皆さんに協力しようという姿勢がありますし、よくある派閥のようなものもありません。職員同士の関係性という意味では、すごく働きやすい環境だと思いました。
一方で、入職して1年前後、あるいは1年未満の職員も多いんです。福祉経験がある方もいますが、未経験で入職する方もいます。
なので、支援の専門性という面では、まだまだこれから伸びていける部分があると思っています。そこをうまく成長につなげていけたらいいですね。

「その人が何をしたいか」から育成を考える
――スタッフを育てるうえで、大切にしたいことは何ですか?
佐藤
まず、その人自身が仕事で何をしたいのか、どうなりたいのかを確認したいと思っています。そのうえで、やりたいことをできる環境を整えていきたいです。
僕自身、自分から「これをやりたい」と思って動くタイプなんです。それができると、やりがいにつながるし、仕事が楽しいと思える部分があります。
もちろん、仕事への向き合い方は人それぞれです。でも、自分がやりたいことを実現できる環境がある方が、仕事に対して情熱やモチベーションを持ちやすい方は多いと思います。
そういう環境をつくることが、職員の成長だけではなく、長く働いてもらうことにもつながるのではないかと思っています。
――経験が浅いスタッフには、どう関わっていますか?
佐藤
福祉未経験の方だと、そもそも「こういうときにどうしたらいいのか」という引き出しがまだ少ないんですね。
なので、「こういう場合なら、こういう方法もあるよ」と具体的に伝えて、その人の中の選択肢を増やしていくようにしています。
サード八王子では利用者様ごとに担当職員がいます。その利用者様について何か課題が出たときに、経験が浅い職員だと、どんな手段があるのか、どの方法を選ぶのが妥当なのか判断しづらいことがあります。
そこで今の状況を一緒に整理して、「こういう方法も考えられるよね」とフォローするようにしています。

「困ったら、この人に聞けばいい」をつくる
――育成の仕組みとして始めたこともあるそうですね。
佐藤
最近、新人職員に教育担当をつける取り組みを始めました。
主任や経験のある一般職の職員に担当してもらい、「困ったときはこの人に聞けばいい」という窓口を明確にしています。
シフト制なので、教育担当と毎回一緒に勤務できるわけではありません。それでも、相談する相手が決まっていることで、困ったことを抱え込みにくくなると思っています。
業務上のOJTだけではなく、メンター的な役割も含んでいますね。
事業所独自で新人向けの研修も行っています。ただ、研修で知識を得るだけでは、それが本当に使えるスキルになるとは限りません。
担当している利用者様の支援を考える中で、研修で学んだ知識を使って支援を組み立て、実践して、「うまくいった」という経験ができる。そこまでつながると、学んだことが生きたスキルになると思っています。
職員が育つことが、利用者さまの安定にもつながる
――職員の定着と利用者さまへの支援は、つながっているのでしょうか?
佐藤
双方向に影響すると思っています。
サード八王子では今年度、退職者が続いた時期があり、新しく入る職員も続きました。
経験の浅い職員が多くなると、職員自身も慣れていないので負担や疲労感が大きくなりますし、支援も最低限のところになりやすくなります。
そうすると、利用者様にもうまく伝わらなかったり、利用者様が不安定になったりすることがあります。
逆に、職員が安心して働き、定着して経験を積んでいけば、支援の質も上がっていきます。
僕はSHIPに入ってから複数の事業所を経験してきましたが、職員同士の連携が利用者様への支援にどれだけ影響するかは、それぞれの現場を見て感じてきました。
まずは職員が安心して働けること。それはすごく大切だと思っています。

「人によらない仕組み」をつくる
――今、サード八王子で特に整えたいことは?
佐藤
大きく言えば、「人によらない仕組みづくり」です。
グループホームはシフト制なので、その日に出勤している職員だけで話をしても、休みの人には情報が伝わりません。
今はSlackを使って、出勤していなかった職員もあとから情報を確認できるようにしています。それから、平日は毎朝、朝礼をしているので、前日に伝えたことでも、翌日また伝えることがあります。
ただ、紙で管理している情報もありますし、「この情報はここ、この情報はあっち」というように、保存されている情報の所在が分かれている部分もあります。
Slackで共有するものと紙で扱うものを整理して、必要な情報にアクセスしやすい動線をつくっていきたいですね。
――情報共有以外にもありますか?
佐藤
役割分担も明確にしたいです。
一人の人が全部判断して、そこから職員に指示を出す形だと、職員数や利用者様が増えたときに、その人一人では抱えきれなくなります。負担も一人に集中してしまいます。
だから、「この問題はこの人が判断する」「こういう場合はこう対応する」というものを、もう少し仕組みにしていきたいです。
細かな部分では、誰が対応しても一定の水準になるようなマニュアルも必要だと思っています。
法人としての規定や役割分担はありますが、それをそのまま現場に持ってくると少し堅苦しくなることもあります。現場で使いやすく、状況に合わせて動きやすい形で明確になっているのが理想ですね。

上司と部下も、「役割が違うだけ」
――スタッフとの関係で意識していることは?
佐藤
できるだけフラットに接したいと思っています。
SHIPに入ったときの上司が、誰に対してもフラットに接する方だったんです。こちらの意見をきちんと聞いたうえで返してくれる方で、僕自身、すごく働きやすかったんですね。
上司と部下なので、仕事上の役割は違います。でも、人として上下があるわけではないと思っています。
上下関係を強く意識すると、下の立場の人から上の人に意見を言いづらくなります。だから、「役割が違うだけで、関係としてはフラットなんだ」と考えた方が、お互いにコミュニケーションを取りやすいと思っています。
――スタッフから「佐藤さんとは違う考えです」と言われたら?
佐藤
まずは、「なぜ違うと思うのか」を聞きます。
支援の話では、同じことについて話しているつもりでも、見ているところや前提が違っていて意見が食い違っていることがあります。
担当している利用者様への思いが強いほど、一つの方向からしか見えなくなってしまうこともあります。
そういうときは、一度少し引いて、「こういう見方もあるよね」とお互いの見方をすり合わせます。そのうえで、どちらの方法がよいのかを一緒に考えるようにしています。

一人ひとりが、自分の力を発揮できる事業所へ
――これから、どんなサード八王子にしていきたいですか?
佐藤
利用者様にとっては、安心して穏やかに過ごせる場所にしたいです。それぞれの利用者様にとって、「家」のような安心感を持てるグループホームが理想です。
職員にとっては、学びがあって、一人ひとりが自分の才能を発揮できる職場にしたいですね。
僕はもともと、人をまとめることが得意なタイプではないんです。どちらかというと、自分が興味のあることをやりたいタイプです。
だからこそ、それぞれの職員が「これをやりたい」「こうなりたい」と思っていることを実現できる環境を整える。そういう役割があるなら、やっていきたいと思っています。
SHIPはまだ、職員一人ひとりが意見を出して、つくっていける余地のある法人だと思います。
障害者支援が好きな方、自分で考えて動きたい方、利用者様について考えながら専門性を高めていきたい方には、力を発揮しやすい職場だと思います。
ありがとうございました!
利用者様への支援と、スタッフが安心して働き成長できる環境づくりの両方に向き合っている佐藤さん、
これからも佐藤さんらしく、一人ひとりの声を大切にしながら、より良い事業所にしていってください!
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フリーランス/リワークトレーナー/タスク管理習得支援ツール「タスクペディア」原作者
