動機づけ面接法 研修インタビュ
『ケース⑤:臨床心理士・公認心理師 一年目の Mさん』

大学院で臨床心理学博士課程を修了し、SHIPに入社して活躍しているMさんです。

昨年度、無事に『臨床心理士・公認心理師』の試験に合格し、両資格を取得することができました!

SHIPで働きながら勉強を重ね、難易度の高い試験に一発で合格した勤勉さには頭の下がる思いです。

 

ゴリゴリに心理学を学んできたMさんにも、動機づけ面接法の研修を受けてもらいました。

大学院で心理学を専攻してきた人が、動機づけ面接法をどのように感じているのでしょうか?

インタビューさせてもらいました。

 

 

Q

今の職種を教えてください。

A

就労移行支援の事業所で就労支援員として勤務しています。

精神障害や発達障害のある人たちに対して、就職後でも役立つ『スキルの獲得』に向けたプログラムを担当しています。

具体的には、集団認知行動療法のプログラム、DBT(弁証法的行動療法)に基づいたマインドフルネスのプログラムをメインで担当しています。

その他、職業生活に欠かせないストレスマネジメントやリラクセーション法、コミュニケーションスキルを高めるためのSSTのプログラムも担当しています。

 

 

Q

心理学の中でも、とくに好きな分野はありますか?

A

森田療法が大好きです。

私自身が完璧主義で不安が強く、終わりなき完全を求めてマインドワンダリングしてしまいます。

過去の後悔を思い出しては、未来の失敗を心配する。

この悪循環にハマると『今、この瞬間』を感じられなくなります。

神経症の治療でも有名な森田療法は、私の生きる指標になっています。

 

 

Q

大学院で色々と学んできたMさんが、動機づけ面接法の研修を受けようと思ったきっかけは?

A

面談時間がどうしても長くなりすぎてしまう… という悩みがありました。

クライエントの主訴をつかみ取りにくく、アジェンダを設定するまでに相当な時間を要していました。

まわりのスタッフからも「長い」と指摘を受けており、自分でもそう感じていたため、改善する必要がありました。

クライエントにとっても自分にとっても有効な面接技法を学びたいと思い、SHIPの内部研修に参加しました。

 

 

Q

動機づけ面接法の効果をひと言でいうと?

A

クライエントが自分自身でも気づかなかった潜在的なニードを導き出すことができる! ということです。

 

 

Q

それはどのような場面で感じることができましたか?

A

<個別の面談の場面>

クライエントが混乱し、話が右往左往してまとまらなくなった時に「何が一番心配ですか?」と、『あなたにとっての一番』を質問します。

そして、混乱しながらも答えてもらった内容を、さらに「具体的に教えてください」「本当はどうしていきたいですか?」と深めていきます。

このような質問と傾聴を続けていくことでニーズが顕在化し、羅針盤のように方向性が定まってくることを実感しました。

主訴のハッキリしている来談者向けのカウンセリングとは違い、日常的に時間を共有しているクライエントからの不意な相談が多いので、上述のスキルは欠かせないと感じています。

 

<プログラムの場面>

就労移行支援のプログラムは、決められたパッケージを提供する支援です。

たとえば、マインドフルネスのプログラムでは、呼吸法や食事法をおこなう中で、自分の『思考・イメージ・身体感覚』をつかんでいきます。

また、それらにセットされている『感情』についても把握していきます。

自分の中に起こっている『今、この瞬間』を丁寧に観察するのがマインドフルネスのポイントです。

動機づけ面接法では、変化への行動を強化していくため『気づき』を積極的に質問します。

プログラム終了後には「今日の一番の気づきは何ですか?」と必ず質問します。

クライエントは、ご自身の中で感じ取られた一番大切なポイントを瞬時にアウトプットすることができるので、健康に向けた変化への道を案内しやすくなりました。

このように、マインドフルネスのプログラムに動機づけ面接法で学んだ技法を取り入れたりしています。

 

 

Q

今は、動機づけ面接法をどのように活用していますか?

A

動機づけ面接法は、変化のステージでいうところの『前熟考期』に有効な技法です。

変わりたいけれど、今すぐ変わることは考えていない。

このような人に『変化のキッカケ』をつくるのに役立ちます。

変化の決意が固まった『実行期』には、認知行動療法のような技法が有効になります。

 

このように、日常的な会話や個別の面談では動機づけ面接法の関わりによって変化への動機を高め、プログラムでは認知行動療法によるワークや宿題を重ねることで、自分の提供する支援が連動してきていると感じています。

 

月に一度、クライエントとの振り返り面談をおこなうのですが、そこでは『できていることの承認』と『できていないことの受容』をおこないます。

このような一連の流れが、クライエントとのラポール形成にもつながっている印象です。

 

 

Q

では最後に、これから動機づけ面接法を学ぶ人へひと言ください。

A

動機づけ面接法は、あらゆる場面で活用できる技法だと思います。

ただ、座学だけではなかなか身につきません。

私の場合は、一緒に働くスタッフ同士でロールプレイをおこなったり、積極的にクライエントとの会話に取り入れていくことで、ようやく身についてきました。

1年間の継続した取り組みを通じて、とても有効なものだと実感しています。

ぜひ、SHIPの内部研修を受けて、知識と経験の中で、様々なサポート場面で活用してもらいたいと思います。

 

 

Mさん

インタビューありがとうございました。

大学院で心理学を専門的に学んできたMさんにも役に立っているとは、とても嬉しいことです!

ただ、Mさんもおっしゃってましたが、やはり実践しないとみにつきませんよね。

日々、みんなで精進していきましょう!

 

なお、SHIPの動機づけ面接法を学ぶ会の仲間は随時募集中です。

興味のある人は連絡くださいね。

 

それでは、アディオス・アミーゴ