『変化のステージモデル』
行動を変えるための支援とは?

現状維持は最高です。

最高に居心地のよい状態です。

それがたとえどんなに悪い習慣であったとしても、現状維持の居心地のよさから離れることはできません。

たとえば、朝寝坊、タバコ、休日のグータラ‥ など

 

 

ただ、私たちは分かっています。

変化すれば健康になることを分かっています。

早起き、運動、外出と余暇の充実‥ など

 

このような状態のことを『アンビバレンス(両価性)』と呼びます。

動機づけ面接法では、自分自身のアンビバレンスな矛盾状態を拡大していくテクニックを取ります。

通常、矛盾している自分の状態は気持ちが悪いものなので、どっちかに振り切っていたほうが楽なのです。

そうして、変化する側には蓋をして、現状維持の心地よさに浸るのです。

 

 

今回は『変化のステージモデル』のお話しを少しします。

『行動変容ステージモデル』などとも言われています。

このモデルを提唱した人は、ジェームズ・プロチャスカというアメリカの心理学者さんです。

プロチャスカさんは、人が行動を変えるには6つのステージを通ると言っています。

「前熟考期」→「熟考期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」→「終結期」

自分が(またはクライエントが)今どのステージにいるのかを理解しながら、それぞれのステージに合わせた方法で変化を促していくことがポイントです。

 


 

1,前熟考期(無関心期)

当面、行動を変えようという意志をまったく持っていない。自分の問題に気づいていない。

・症状/状況への介入:動機づけ面接法

・対人葛藤への介入:対人関係精神分析

・家族葛藤/システム葛藤への介入:戦略派家族療法

・個人内葛藤への介入:精神分析的心理療法

 

2,熟考期(関心期)

問題があることに気づいており、問題を克服しようと真剣に考えているが、まだ行動に移す決意はない。

・不適応な認知への介入:アドラー派心理療法

・対人葛藤への介入:交流分析

・家族葛藤/システム葛藤への介入:ボーエン派家族療法

・個人内葛藤への介入:実存的心理療法

 

3,準備期

変化したいという意志があり、変化の先駆けとなる小さな行動にすぐにでも取り組む準備ができている。

・不適応な認知への介入:論理情動行動療法、認知療法、第三世代の行動療法

・対人葛藤への介入:対人関係両方

・個人内葛藤への介入:ゲシュタルト療法

 

4,実行期

実際に明確に行動の変化が生じている。

・症状/状況への介入:行動療法、EMDRとエクスポージャー

・家族葛藤/システム葛藤への介入:構造派家族療法

 

5,維持期

行動の変化が始まってから6カ月以降の行動の変化を維持する時期。

・症状/状況への介入:行動療法、EMDRとエクスポージャー

・家族葛藤/システム葛藤への介入:構造派家族療法

 

6,終結期

問題行動に戻る誘惑を経験しなくなり、逆戻りを予防する努力をしなくてもよくなる時期。

 

引用元:公認心理師原因者講習会テキスト2018年度版/金剛出版


 

まとめ

難しそうなことを書いてしまいましたが、精神保健福祉の現場には『前熟考期(無関心期)』のクライエントがとても多いと感じています。

行動を変えようという意志をまったく持っていない。自分の問題に気づいていない。そんな人に「タバコをやめたほうがいいですよ!」などとアドバイスをしても意味がありません。

心理的リアクタンスという言葉があります。指示をされると、選択の自由が奪われたと感じ、自分の行動を自分で選択したいという欲求が高まって反発する態度をとってしまう現象です。

「前熟考期へのアプローチこそ支援には大切なんだ!」ということを、私は声を大にして言いたい。

「だから私は『動機づけ面接法を広める会』を創ったのだ!」ということを、声を大にして言いたい。

というブログでした。

 

ではでは。

アディオス・アミーゴ