アイ・メッセージのすゝめ
最近、アンパンマンのマーチの歌詞に猛烈に感動している事務局の上田です。
「なんのためにうまれて なにをしていきる こたえられないなんて そんなのはいやだ!」
確かに… そうだよなぁ。
自分の人生の答えは「自分が決めてるんだ!」って自信を持って答えたいよなぁ。
「そうだ うれしいんだ いきるよろこび たとえ むねのきずが いたんでも!」
確かに… そうだよなぁ。
困難を乗り越えた経験があるから「自信」が生まれて、本当の「喜び」に辿り着くんだよなぁ。
話はまったく変わるのですが、
一般的に仕事は『肉体労働』『頭脳労働』『感情労働』の3つに分類されるそうです。
そして、私たち福祉の仕事は『感情労働』と言われます。
福祉のお仕事は、良かれ悪かれ『感情』と触れることの多い仕事です。
例えば、クライエントとのお話の中で、
嬉しい・楽しいといった『ポジティブな感情』は受け止めやすいのです。
こちらも嬉しくなっちゃいます。
一方、
哀しみ・怒りといった『ネガティブな感情』を受け止め続けることは正直しんどいんです…
さらに、
憎しみ・恨みといったさらに『ねじれた感情』を受け止め続けることもかなり厳しいです…
とくに、相談援助職は、
困りごと・悩みごとを中心にお話しを聴く仕事なので、ネガティブな感情と付き合う時間が必然的に長くなり、しんどくなる支援者の多い現状があります。
実は、ここだけの話ですが、支援者たちも気軽に「相談したい」気持ちや「愚痴を言いたい」気持ちを持っています。
でも、守秘義務があったり、クライエントとの信頼関係を裏切りたくないので、自分の感情に蓋をして相談援助にあたっている支援者は少なくありません。
そんな気持ちを引きずったままなもんだから、クライエントに対してなんとなくモヤモヤした『ネガティブな感情』を抱いて、それでも「そんなことを考えちゃダメだ!」と、さらに自分の感情に蓋をしながら相談援助にあたっている支援者は多いと思います。
(正直、私がそうでした…。ごめんなさい)
それが仕事だし、そのプロなんだから… やるしかねーだろ! って頑張ってました。
でも、
自分の感情に蓋をし続けると『こころ』と『からだ』に不調が生じます。
福祉業界(感情労働)では、体調を崩して辞めていく人がかなり多いという課題があります。
例えば、
心に出る人は、睡眠障害やうつ病などとして表れるケースが多いです。
身体に出る人は、心筋梗塞・脳卒中・ガンのリスクだって上がります。
自分の心身に不調が出ているのにクライエントに対しては、
「ストレスをため込む前に『ヘルプ』を出してくださいね!」などとアドバイスをするくせに、支援者はヘルプを出さずにため込んじゃうのですよね…
『役割や立場は違えど、人としては対等』
これは、私の好きなアン・ディクソンさんのお言葉です。 ※第四の生き方(アン・ディクソン)
アン・ディクソンさんは、アサーティブネス(自己主張すること)の重要性について、私たちに沢山のヒントをくださいます。
たしかに、クライエントとの関係は「利用者⇔支援者」の関係ですが、その前に『人としては対等』です。
だから、
必要以上に「〇〇してあげなきゃ」と、上から目線で利用者の主体性を奪う必要はないし、
非常以上に「私なんかよりよっぽどマシだ」と、自分を卑下して比べる必要もありません。
さらに「あなたの言い分はおかしい」などと、感情をブツけても上手くいきません。
日々、アサーティブネス(自己主張すること)の難しさを痛感します。
たとえば、
「あなたの その言い方は おかしい です」と自己主張したら反感を買いますよね。
しかし、
「私は 攻撃的な言葉が 苦手 です」と自己主張したらどうでしょうか?
この例は『アイメッセージ』と言って、『私』を主語に『気持ち』を添えて伝えると、不思議と相手は受け取ってくれるのです。
自分の感情を抑圧しすぎることなく、相手の権利も侵害することなく、お互いに気持ちの良いコミュニケーションを目指していくことが『感情労働』を継続していくポイントになりそうです。
アイメッセージをうまく伝えられるスキルを身につければ、長いこと『感情労働』を続けられそうな気がしてきます。
アンパンマンの歌詞に戻りますが、感情に蓋をし続けていると、自分が何のために仕事をしたり、何のために生きているのか?本当に分からなくなります。
今まで抑圧していた気持ちを伝えるのは本当に怖いです。
でも、勇気を出して『アイ・メッセージ』で伝えてみます。
胸の傷が痛んでも…
すると不思議なことに、驚くほど事態は好転します。
人は、感情を分かち合うことができると、喜びに変わる動物なんだぁ…と体感します。
だから、私は、アンパンマンのマーチに感動していたのでしょうね。
長くなりましたが、
実は、社会福祉法人SHIPの職員間でも『アイ・メッセージ』を使ったコミュニケーション・スキルをみんなで練習しています。
そして、みんなが末永く支援の仕事を続けてもらえるよう努めています。
やっぱりスキルは大切ですね。
理事・障害者事業部長
国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー初級修了・TFTパートナー・ChatGPTエジソン塾1期生・整理収納アドバイザー2級 など
『努力すること』と『環境に助けてもらうこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中