職場での発達障害との上手な向き合い方

立川市生涯学習推進センター主催『職場での発達障害との上手な向き合い方』市民講座の講師を務めました本部事務局の上田です。

私事ですが、最近、脇汗が止まらず悩んでおります…
脇汗は緊張=交感神経が優位になって発汗する仕組みなので、おそらくこのような講師を務めると緊張して垂れ流し状態になるのでしょう… ほかにも新たな事業展開を考えていたりもするので、ワクワクとドキドキで最近は脇汗過多になっているのだと思われます。
 
さて、そんなことはさて置き、この度の講座内容について少し紹介していきたいと思います。
※この講座にご興味のある企業様:ご依頼を頂けましたら可能な限り出向きたいと考えております。

<この講座の狙い>

 発達障害は見た目から『困りごと』を推測することができません。しかしながら仕事をする上では確実に『困りごと』が存在します。
この講座では、まず、発達障害の人(とくにASD:閉症スペクトラム障害、ADHD:注意欠如多動性障害)の『脳のはたらき方の違い』について理解を深めることで、その『違い』を受け容れ『合わせる必要があるぞ!』と思ってもらえたらミッションクリアです。

<発達障害は治す対象ではない>

何度も言いますが、発達障害は健常者と『脳のはたらき方が違う』だけなので治す対象ではありません。
その特性をお互いによく理解して、発達障害の人が学びやすい環境を整えていくことが肝心です。さらに、発達障害の認知特性(考え方の特徴)に合わせる視点もポイントです。これを理解していないと『かみ合わない』負のループから抜け出せず、お互い不毛な時間を過ごすことになります。

 <発達障害とのコミュニケーション>

発達障害の人が求めているコミュニケーションの合理的配慮って何だろう…?という話はあるあるです。
では、何を配慮するべきか?
まずは、抽象的な仕事の指示を止めることです。ASD:自閉症スペクトラム障害の人は想像力の困難さを持っています。アバウトな指示から相手の期待を想像することは極めて困難な作業です。具体的な指示をお願いします。

<今回は特別に心理テストも実施しました>

 
社会福祉法人SHIPのEXP立川(就労移行支援事業所)では、業界ではめずらしく臨床心理士を配置しています。
今回の講座では、臨床心理士の兵働が『A-ASD』という心理テストの概要を解説してくれました!
A-ASDは、ASD:自閉症スペクトラム障害の可能性を調べることが目的です。そして、このテストの優れている点は、他にも、ADHD:注意欠如多動性障害の可能性&二次障害(うつ病)の可能性も調べることができる点です。
皆さん興味津々で取り組まれていました。

<発達障害の人とのかみ合わせ方>

 
かみ合わない理由は『考え方の違い』につきます。
★健常者:全体像としてアバウトに考えます。
★ASD:細部に対して深く考えます。
★ADHD:移り変わる興味に対して考えます。
だから必然的にかみ合わないのです。
今までは多数派である健常者が「こちら側に合わせろ!」という世の中でした… でも、これからは、発達障害の人たちが「こちら側に合わせろ!」の時代に変化しています!
何を合せるの…?『考え方の枠組みを合わせる』です。
仕事を振る側の健常者も、仕事を受ける側の発達障害者も『タスクチェックシート』を活用すればかみ合うはずです
このように『フィフティー・フィフティーの関係』を築くことこそ職場での発達障害との上手な向き合い方になります。

<知識ではなく経験を積んで学習効率を上げる>

講座に参加されたほとんどの人は初対面…
でも、私の強引な誘導によって、タスクチェックシートのワークとディスカッションをしてもらいました。
実はこの仕掛けには理由があって、
「聞く」だけの講座だと半年後の学習定着率は5%にしかなりません。しかし「ディスカッション」すると50%にまで上昇し、さらに「実際にやってみる」と75%にまで高めることができるのです!

※ラーニングピラミッドより

<講座のご依頼をお待ちしています!>
上記のような講座でしたら、社会福祉法人SHIPによる出張講座が可能です。
今回は3時間の講座でしたが、内容によっては2時間~1日講座まで実施することが可能です。
発達障害のある社員との付き合い方に苦労されている企業関係者の方にはお勧めです。
平成28年4月より、障害者差別解消法が施行され『合理的配慮』は雇用主の責務です。
平成30年4月より、障害者雇用促進法が改正され『精神・発達障害者』の雇用機会は増えます。
時代の変遷期に、障害者雇用の受け入れ準備&配慮の方法を学ぶことは、社会的意義がとても高い取り組みです。障害者雇用と合理的配慮を推進する企業が増えることを期待しています!
あともう一つ!当法人のEXP立川では、一般企業に就職することを目指す優秀なメンバーが多数おりますので、その人たちの雇用も検討して頂けますと幸いです。