体験時アセスメント㏌笑プラス

みなさん、こんにちは。
SHIP本部事務局ヒューマンリソース推進室の若林です。

新型コロナ禍の中、職員の皆さんは精神的にも肉体的にも負担がかかっているとしていると思います。
皆さんの努力のおかげで事業が継続できています。
本当にありがとうございます。
また保護者の皆様も様々な制限のある中、ご協力いただきありがとうございます。

今回は現在笑プラスで利用体験時に行っているアセスメントを紹介いたします。

重度の知的障害者や自閉症者は、言語によるコミュニケーションを苦手としています。
また、言語を理解しているといっても、新しい環境変化の中で戸惑い不安を覚えています。環境が変わればわからないこともあります。
単語も人によっては、使い方に違いがあるかもしれません。聞き取れる文章の長さも人によって違いがあります。

重度の障害があっても、アセスメントを実施することで、客観的にその人を知り、個々に合ったコミュニケーション方法での利用スタートを目指しています。

笑プラスの体験時アセスメント

① 絵画語い発達検査
どれだけ言葉を知っているか、わかっているか、言葉の理解を見る検査です。
検査者の言葉とそれ示す絵を選んでもらいます。
段々と難しくなるので、どの段階まで理解しているかで、3歳~12歳3ケ月の範囲で語い年齢と評価点がわかります。
支援者の声掛けを、どのくらい理解しているかの一つの目安になります。

② TTAPの一部
○TTAP言葉による指示

言葉の理解度をアセスメントします。絵画語い発達検査で扱う単語よりも長い文章が理解できるかどうかを検査できます。

使用する用具は、鉛筆2本、紙、鉛筆キャップ、箱(それぞれの物を入れるのに十分な大きさのもの)を使います。

1.「私に箱をください。」
2.「紙の上に鉛筆を置きなさい。」
3.「ドアをノックしなさい。」
4.「箱の中に鉛筆を置き、その箱を私にください。」
5.「箱の中に紙を置き、それからその箱を床に置きなさい。」
6.「箱の中に紙を置き、その紙の上に鉛筆を置きなさい。それから、その箱を私にください。」
7.「鉛筆にキャップを付けてから、箱の中に鉛筆を置きなさい。それから箱を床の上に置きなさい。」
を言葉の指示でどの程度までできるかをアセスメントします。

1度にどの程度の声掛けが適切に伝わるか、1度に何個の指示を理解できるか、の目安になります。

○TTAP文字による指示

文字の理解度をアセスメントします。

用具は鉛筆2本、(鉛筆を入れるための)箱、スポンジ製あるいは軽めのボール、下記の文字による指示が書かれたカード5枚を使います。
鉛筆、箱、ボールを対象者の前のテーブルに置き、下記の文章が書かれたカードを見せ指示に従うように伝えます。

1. 箱の中に鉛筆を置きなさい
2. ボールを私にください
3. 箱を床に置きなさい
4. ドアをノックしなさい
5. 鉛筆を私にください
上記の文章が書かれたカードを見せ指示に従うように伝えます。

スケジュールの形式を決める際の参考になります。

○絵と文字のマッチング(オリジナル)

日常生活動作の絵と単語(ひらがな)が一致しているかをアセスメントします。
絵を見て、一致する単語カードを選んで貼ってもらうことで、視覚情報の受け取り方の傾向と、単語の理解の仕方がわかります。

スケジュールの形式を決める際の参考になります。

自閉症は、視覚優位といわれていますが、理解しやすい視覚情報は個々に違いがあります。視覚的であれば何でもよいわけではありません。
コミュニケーションツールである以上、伝わればよいだけではなく、より伝わりやすい個々に合わせた形態を模索する必要があると考えています。

それにより、利用から不安のできるだけ少ない状態でスタートをきれたらと思います。

将来的には、重度事業全体でアセスメントを根拠とした支援の仕組みを作りたいと考えています。