TEACCHの考えに基づいたエスプリの取り組みが素敵ッス☆彡

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今日は、ちょっと感激したことがあったのでブログを書いています。

就労継続支援B型のエスプリで、ロールパン作成のアセスメント(課題分析表に基づく評価)をおこなう場面に参加しました。

こちらのチームは、TEACCHの考えをよ~く理解しながら、行動の細分化、評価の視点、支援のアプローチ方法まで、活発に話し合われていました!

どんな内容だったのかを一部ですが報告させてください。

 

<課題分析表>

今回のファシリテーターは、主任の安藤さんが務めておられました。

はじめに、目的と目標の確認からスタートしました。

 

★目的【何のためにこの課題分析をおこなうのか?】

⇒ 利用者さまのできる部分を増やし、パンのクオリティーの平準化を図るために根拠ある支援を実践する

 

★目標【どのようなことをゴールに描くのか?】

⇒ 将来のマイスター制度に向けた『動画マニュアル』を作成することができている

 

目的と目標がしっかりと共有されていて感動しました!

 

さらに、安藤さんの事前準備が素晴らしいのです。

まず、課題分析シートがみんなに配布されます。

 

 

そこには、『作業手順』を表している『行動項目』も記載されています。

これらをもとに、エスプリとして共通の『作業手順』と『行動項目』をみんなで決めていきます。

作業の様子を撮影した動画を見ながら確認スタートです。

 

 

実際に動画をみると、一人ひとりの作業に対する考え方の違いが出てきます。

これは、利用者さまに対する『支援方針が違う』という課題が浮き彫りになる場面です。

エスプリの素晴らしいところは、意見の違いを認め合いつつ、同じ方向性へと議論を深めていくところにあります。

一つひとつ、丁寧に、利用者さまにとって分かりやすい表現へと修正を図っていきました。

 

 

<評価のポイント>

今回は、2人の利用者さまのロールパンづくりの評価をおこないました。

こちらも動画で作業の様子を確認し、みんなで評価をおこないます。

 

エスプリでは評価の視点を4段階にしています。

◎:自分一人でできる

〇:少ない支援でできる(芽生え+)

△:多くの支援でできる(芽生え-)

✕:支援があってもできない

 

 

この評価の結果が、エスプリでは、回を重ねるごとに合ってきています。

その評価をつけた『理由』も確認するのですが、みんな同じような意見になります。

みんなが共通の評価基準を持つことができているってことです。

これも感動ポイントでした!

 

<支援方法の検討>

支援方法を考えるときには、利用者さまの『3つの困り感』を踏まえておく必要があります。

①、なにをすればいいか分からない

②、それをするスキルがない

③、それをするモチベーションが湧かない

 

これらの課題は、一つだけの場合もあれば、複合的に絡み合う場合もあります。

今回のケースでは、①の『なにをすればいいか分からない』に対する支援として

『ジグ』をつかった『構造化支援』のアイデアが出てきました。

 

ロールパンを上手に巻き込むための『大きさ』の目安となる『視覚的指示』です

このジグを『あんどうなみだくん』と命名しています

 

また、②の『それをするスキルがない』に対する支援として

トレーニングの方法についても議論がなされていました。

いわゆるパンの生地を伸ばしたり丸めたりする作業は『ちから加減』がとても難しいのです。

この『ちから加減』の練習方法として『スライムを使って練習する』などの案が出てきました。

 

 

そして、③の『それをするモチベーションが湧かない』に対する支援としては

上手にできた部分は『すぐに褒める』に尽きます。

私たちでもそうですが「上手くできたんだ!」って実感を持つことって、とっても大切ですよね!

 

<完成品を確認する>

『終りが大切』という最重要課題があります。

自閉症支援でも『終わり』を具体的に伝えていくことが大切です。

よいプロセスをたどっていても、パンの焼きあがりがダメだと商品としてお客様へ届けられません…

 

 

パンを天板にのせて焼き釜に入れる際の最大のポイントは

生地の『とじめを下にする』ことです。

それをしないとキレイに焼きあがりません。

上記のような写真で『完成品の見本』を視覚的に提示することで理解が容易になりますね!

 

<まとめ>

たかがロールパンを作るだけの話しです。

でも、目的と目標に立ち返ると、

 

★目的【何のためにこの課題分析をおこなうのか?】

⇒ 利用者さまのできる部分を増やし、パンのクオリティーの平準化を図るために根拠ある支援を実践する

 

★目標【どのようなことをゴールに描くのか?】

⇒ 将来のマイスター制度に向けた『動画マニュアル』を作成することができている

 

着実に近づくことができると思います!

 

TEACCHプログラムの考えに沿って、みんなで質の高い支援提供について話し合っている姿に感動が止まらんのです。

あ~~いいチームだなぁ~~

 

おしまい。