【職員インタビュー】「1人に相談したら、2~3人集まってくれる職場」グループホーム友 田村さん

グループホーム友」 の田村(たむら)さん

福祉の仕事をしたくて、高齢者介護を経て、SHIPへ入社されました。

その過程と、これからについてお話いただきました。

 

高齢者介護のスポーツプログラマ―から障害者支援へ

――田村さんは、「グループホーム友」に入る前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

 

田村

もともと、家族が高齢者介護の仕事をしていたこともあり、福祉の仕事をしたいと考えていました。そこで、介護福祉士の資格が取れる福祉科のある高校に入学し、資格を取ることができました。

卒業後は、祖母が理事長をしている法人で福祉の仕事をしようと思っていましたが、高校で福祉の勉強をする中で、「予防」が必要だと考えるようになりました。

そのため、運動特化のデイサービスに就職したいと考え、スポーツプログラマーの資格を取得できる専門学校で2年学び、資格を取ってから、運動特化型デイサービスの仕事を3年ほどしました。

 

 

田村

高校の頃、授業の一環で色々な福祉施設に見学に行きました。その中に障害者の方々が入所されている施設も見学しました。

そこでの体験は、一言でいうと「衝撃的」。他人を攻撃する他害行動をおこなう人、自分自身を傷つける自傷行動を繰り返す人などを実際に目の当たりにして、正直な感想は「怖かった」というものでした。

見学に行く前は、障害者支援も将来の仕事の選択肢の一つと考えていましたが、それ以来、なんとなく避けるようになりました。ある意味、スポーツプログラマ―になりたいという気持ちはその結果だったのかもしれません。

 

そうして、スポーツプログラマ―として高齢者介護の仕事に携わっていたのですが、いつしか「自分が成長するためには、このままでいいのか?」と思うようになりました。

自分の中では、「福祉の仕事」=「高齢者介護」でした。しかし、福祉の世界は広く、まだまだ知らないことがあると思うようになりました。

もっと歳を重ねてから「自分は福祉の仕事をしていました」と胸を張って言えるようになるためには、もっと色んな世界を見たい、挑戦したいと考えるようになりました。

 

テレビやYouTubeなどで、障害者支援に取り組んでいる番組を観て、再び興味が湧くようになってきたというのも、障害者支援に取り組むきっかけの一つでした。

 

 

 

――「グループホーム友」に入るキッカケはどのようなものだったのでしょうか?

 

田村

私、趣味がバイクなんです。なんとなく「転職したいな…」と思いながらバイクで走っていたとき、ちょうど「グループホーム友」があったんです。

最初は「あ、家の近くにグループホームがあるんだなぁ」ぐらいの認識でした。

でも繰り返し見るにつれて、「ちょっと調べてみよう」と思うようになりました。そこで、ネットで検索をかけてみたんですね。そうしたら、ちょうど興味が向いていた障害者支援の施設なんだと分かり、一気に興味が湧き求人に応募しました!

 

 

――展開が早いですね!  応募の動機などをもっと詳しく聞かせてください。

 

田村

家に近いということと、他の(障害者支援の)仕事も経験したいということが動機です。

前職には不満はありませんでしたが、ここで新しい世界に飛び込まないと後悔する、人生悔いのないように生きたい!と思って、転職サイトに載っていた「グループホーム友」の求人に応募しました。

今までの人生で挑戦して後悔したことはなかったので、行動は早かったです。

 

 

 

――他の障害者支援の事業所には応募しなかったのですか?

 

田村

他の事業所には応募しておらず「グループホーム友」だけでした。

そもそも、同じタイミングで何社も応募するのはそれぞれの会社に失礼にあたるのではないかと思っていて、1社に応募したらその結果を待ち、ご縁がなければまた次を探す、という風に考えていました。

 

実際、SHIPの面接はとても丁寧に仕事内容を説明してくれて、「ここで仕事をしたい」と思いました。

また、事前にホームページブログなどを読み、障害者支援とはどんなものかがイメージしやすくなりました。こういったところもおろそかにしない素敵な会社だと思いました。

内定をもらったときは、高齢者介護以外の世界に飛び込めるなとワクワクできて嬉しかったです。

もちろん、やったことがない仕事なので、本当に自分は障害者支援の仕事ができるのかとちょっと怖かったのですが、事前に説明してもらったこともあり頑張ろう!」と思うことができました。

 

私は、高齢者介護であれ障害者支援であれ、対人支援の業務が大事だと考えています。

事務作業に追われてしまって、対人支援がおろそかになってしまっては本末転倒だと思います。

そういう点で「グループホーム友」は、利用者様を担当して直接支援できる環境があり、一人ひとりにしっかり目を向けて支援できる点、「こうだったらいいな」という自分の希望通りの職場でした。

もちろん、うまくいくこと、楽しいことばかりではありません。ただ、利用者様の支援のことで悩めることも含めて、素敵な職場環境だなと思います。

 

 

 

グループホーム友」での仕事内容は?

――SHIPの運営する「グループホーム友」では、どんな仕事をされているのですか?

 

田村

利用者様それぞれ個性や特徴があり、また障害支援区分によっても違いますが、一言でいうと「できる部分を増やす」ことが、私たちの仕事内容と言っていいと思います。

また、絵カードなど利用者様の理解の特徴に合わせたコミュニケーション方法で、苦手なことがあってもよりよい生活が送れるように支援を行なうことも大事な仕事内容ですね。

 

「グループホーム友」の仕事は、朝 起きるところから 夜 寝るところまでをおこないます。

起床のうながし、検温、朝食の提供、服薬のお世話などをして、朝10時ごろに日中の活動場所である生活介護就労支援の事業所へお送りします。

以降は支援の方法の検討や事務作業などをして、16時頃に帰って来られる利用者様の迎え入れ、お風呂、食事、就寝のお世話をして、一日が終わります。

これらの仕事を、早番と遅番に分かれておこなっています。

 

 

 

――「グループホーム友」での仕事で、大変なことは何ですか?

 

田村

担当する利用者様が、今どんなことができるのか、どんなことを苦手としているのかを区別するのが難しいですね。

実際に私が担当している利用者様で、入院されていた方がいらっしゃいます。退院後に帰ってきて、見守りだけでどのくらい生活できるか、どこまでのお世話が必要か、適切に判断することが難しいときがあります。

特に、前職での高齢者介護の経験があるだけに、転倒してしまわないか、お金の管理は大丈夫かなど、色々と心配してしまいます。この辺りの見極めが大変ですね。

 

 

――逆に、やりがいを感じることは何ですか?

 

田村

自分(たち)が考えた支援方法で利用者様のできることが増えると、とてもやりがいを感じます。

たとえば、服薬を忘れてしまいがちな利用者様には「服薬カレンダー」を作りました。さらに絵で分かりやすく工夫をしました。その結果、飲み忘れがかなり少なくなりました。

 

 

これから取るべき行動を絵やイラストでお伝えする仕組みを「構造化支援」というのですが、私は「グループホーム友」に来てはじめて知りました。

口頭でのコミュニケーションが通じにくい重度の知的障害をお持ちの利用者様とは、どのように意思疎通をしているのだろうかと疑問に思っていましたが、絵カードや色分けなどで理解が進むことが分かり、とてもビックリしました。

構造化という仕組みによって、こんなにも利用者様が生活しやすくなるんだなと新しい発見をした瞬間でした。

 

その他、構造化を活かした最近の支援の例としては、スリッパを入れる箱作りました。

ある利用者様は、床と敷布団の差が分からず、スリッパを履いたまま布団に入ってしまっていたのですが、布団の横にスリッパ用の箱をつくって提供したところ、箱に入れてくれるようになったんですね。このときは「やった!」と思いました!

 

 

 

担当する利用者様への支援について

――ところで、「グループホーム友」はどのような利用者様が多いのですか?

 

田村

「グループホーム友」は全部で建物が3棟あります。

1,2棟が男性で重度の障害をお持ちの方が利用されています。

3棟は女性で日常生活が自立されている軽度の知的・精神障害をお持ちの方が利用されています。

私が担当している利用者様は、1棟の男性お一人、3棟の女性お二人です。

 

 

田村

男性の利用者様は、注目することがとても苦手です。そのため、興味・関心のありそうな「馬のマーク」を貼ることで注目を促し、ご自分の部屋だと分かるように環境調整しています。

自閉症の方々の多くは、興味や関心事が限定されていることがしばしばです。この利用者様は、テレビで競馬の番組をよくご覧になっていましたので、馬のマークを使ったところ、注目していただけるようになりました。

また、以前は着替えがまったくできませんでしたが、今では見守りと少しの支援でできるようになっています。

 

 

田村

女性の利用者様は、基本的に身の周りのことはほとんどできておられます。

ただ、お一人は「見ていますよ」「できましたね」といった関わりがないと掃除やお風呂などが難しい方で、承認しながら見守っています。

もうお一人は、最近ご病気で入院をされ、退院して帰ってこられたこともあり、以前できていたことができなくなってしまっています。お風呂の見守りや買い物の同行などをして、大きな怪我などないように支援を手厚くしています。

 

実は、入社してから1~2日目は、壁を強くドンドン叩いたり、突然大声を出したりする行動を目の当たりにして「ちょっと怖い」と思ったことがありました。でもすぐに慣れて、今ではまったく怖くありません。

むしろ、そういった行動を「症状」と捉えて、「どうやったら、そういった問題行動をなくせるのだろうか」と冷静に考えられるようになっています。

そして、利用者様がときおり見せてくださる笑顔に接すると、「ああ、この仕事をやっていて良かったな」と実感します。

 

 

 

「グループホーム友」の雰囲気、一緒に働きたいひと

――「グループホーム友」の雰囲気はどうですか?

 

田村

職員の方々が優しいです。困っていることがあれば、必ず助けてくれますまた、そういった困りごとについての相談がとてもしやすいのも魅力の一つですね。

(このインタビューの)ちょっと前、支援で困っていることがあったときのことです。1人の職員に相談しはじめたら、「どうしたの?」と2~3人集まってきて(笑)

また、利用者様の支援の組み立てを考え話し出すと、みんな止まらなくなるくらい熱心なところは、とても「カッコイイ」と感じます。

 

また、個人的にとてもありがたかったのは、自分も気付かないところで助けてくれたことです。

ある利用者様の支援内容に変化があり、その変化にうまく対応できなかったことがありました。その影響で、利用者様の後見人の方にお手間を取らせてしまったんです。

謝らなければいけないな・・・と思っていたところ、先輩職員がこっそりメールで事情を説明してくれていて、円滑に仕事を進めることができました。

そういった助け合いの精神が息づいているのが「グループホーム友」だと感じています。

 

そもそも、利用者様への支援という共通の目線を常に持って仕事にあたっているので、おのずとホスピタリティ溢れる雰囲気の職場になっているのではないかと感じています。

 

 

 

――最後に、SHIPでは、どんな人と一緒に働きたいですか?

 

田村

働く場がないから仕方がなくここにきた、といった消極的な理由ではなく、支援したい、誰かの助けになりたい、といった優しい心を持った方とぜひご一緒したいです。

支援のスキルや経験だけではなく、どういう目的を持って生きているかどういう人格を持っているかも、とても大事だと思います。

 

 


 

ありがとうございました!

周囲の職員さんの協力もあり、着々と障害者支援の経験を積んでいる田村さん、

これからも頑張ってください!