【育成担当インタビュー】「SHIPに入ってよかった」の声が一番の励み

高橋誠司さん

社会福祉法人SHIPの本部事務局、高橋誠司(たかはしせいじ)さんに

福祉業界に携わったキッカケ、法人の概要や魅力についてインタビューさせていただきました。

福祉の道にたずさわることを考えている人へ、参考になる内容が満載の記事です。

 

「めずらしいから飛び込んだ」福祉の世界

――福祉業界に入ったキッカケを教えてください。

 

高橋

2000年に東洋大学文学部印度哲学科を卒業し、産業用ロボットの製造販売する企業に就職しました。

その会社には2年勤めていたのですが、人と違うことがしたいという欲求が湧き、「めずらしい」という理由だけで当時施行されたばかりのNPO法人に転職しました。

福祉の活動をするNPOでしたが、実は福祉にはそれほど強い興味はありませんでした。

 

※NPO法人(特定非営利活動法人)とは? 1998年(平成10年)12月に施行された日本の特定非営利活動促進法に基づいて特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、同法の定めるところにより設立された法人である。(引用:特定非営利活動法人 – Wikipedia

 

 

 

 

――福祉業界では今までにどのようなキャリアを積んできましたか?

 

高橋

初めての福祉はNPO法人SSSに就職し、2011年5月に同法人の障害事業部へ異動しました。そこで、サクレ江戸川(グループホーム)の支援員を経験し、精神保健福祉士の国家資格を取得しました。

2014年4月にはラファミド八王子(グループホーム)へ異動になり、支援員と管理者を経験しました。

2015年4月には就労継続支援B型「エスプリ」の職業指導員と管理者の経験をしています。

現在は、本部事務局にて、新規開設や採用、人材育成などに携わっています。

 

 

 

 

ひとりだけで抱えない自立支援のカタチ 

――その経験の中でとくに有益な経験はどのようなものでしたか?

 

高橋

サクレ江戸川(グループホーム)で生活する広汎性発達障害の方をはじめて担当したときのことです。その方は生活能力には全く問題はありませんでしたが、反面、対人関係の衝突やストレスが多いという特性がありました。

とにかく話しが長く、同じ話しを繰り返しされる方でした。支援スキルのない当時の私にとっては、とにかくすべて話を聞き切ることしかできませんでした。ひたすら話を聞くことだけを1年以上継続しましたが、その利用者様の課題が改善されないどころか、かえって対人関係は悪くなっていたように感じました。

 

そこでSHIPの支援の理念に立ち返りました。

 

「 支援される部分を少なくし、自分のできる部分を増やすこと 」

「 障害の部分は社会資源を活用して補完し、自立へ導くこと 」

 

 

高橋

この利用者様には、特に2つ目の社会資源を活用することに注力しました。

関わっている通所施設、病院、福祉課のケースワーカーなど、すべてのキーパーソンとコンタクトを取り、直接会って課題を共有することにしました。支援の方向性をみんなで協議しながらそれぞれで関わり進めることになり、ひとりで課題感を抱えていた頃より気持ちが楽になったことを覚えています。

 

また、精神科のドクターとも話しをするようになり、話しを聞くにも技術が必要ということを知り、様々な療法や面談技法などを取り入れるようにしました。

その後、私は異動になりましたが、その利用者様はグループホームを卒業し、今では一人暮らしを続けていると聞いてホッとしております。

理念に立ち返り、関わり方を変えられることに気づけた経験は、わたしの大事な財産になっていると感じています。

 

 

 

「SHIPに入ってよかった」の声が 日々の励みに

――SHIPでは、現在、どのような役割を担っていますか? その役割の大変なところと、やりがいも教えてください。

 

高橋

現在は主に、本部事務局にて、新規開設や採用などの運営にかかわっています。

一番のやりがいは、自分が採用した職員の人たちが現場で活躍している姿を見聞きすることです。

一方、大変なことは、採用が遅れると現場に負担がかかってしまうことです。そのことに不甲斐なさを感じる日々を送っています。

 

ただ、入社したばかりの職員の方から、

「前職では支援の方法を教えてもらえませんでしたが、今は根拠のある支援を学ぶことができています」「前職では研修どころではなく、職員が少なくて月数日しか休めない、SHIPでは研修が充実し、またその時間も確保されているので恵まれた環境です」など、うれしい声を聞くことができます。

 

「SHIPに転職してよかった」という話を聞くと、この仕事はやめられません。

 

 

 

――スタッフの育成にあたっては、どのようなことを大切にしていますか?

 

高橋

SHIPでは、精神疾患をもつ方から重度の知的障害をもつ方まで、幅広く利用者様を受け入れています。

支援方法は個別に全く異なりますが、それぞれの分野の経験豊富な先輩達が内部研修やOJTによって、後輩職員へ支援技術を伝承しています。

SHIPの強みは「根拠のある支援」「支援スキルの専門性」を習得できるところです。内部研修には本当に力を入れています。また、受講者が引け目を感じずに学べる時間を確保できるよう人員体制を強化しています。

 

 

 

「素直さ」が、採用と成長のポイント

――採用担当者からみて、SHIPで活躍している人はどのような人が多いと思いますか?

 

高橋

「障がい者福祉の経験はあるが、イチから学びなおしたい」

「高齢者介護では体力の限界を感じて」

「別業界から将来性や安定性を求めて」

 

このような理由で入社されている人がほとんどです。

 

実際に活躍しているスタッフを見ると「素直さ」をもっている印象をうけます。「素直さ」は採用面接でもとくに重要視しているポイントです。

未経験の方でも『学ぶ環境』はたくさんありますので、素直に吸収する姿勢があり、実際の支援に還元しようという熱意さえあれば、急成長している職員がたくさんいます。

 

 

 

『職員を大切に』する組織の風土

――異業種から福祉業界への転職を考えている人にSHIPを紹介するとしたら、どんなところがおススメ・ポイントになりますか?

 

高橋

社会福祉法人SHIPの一番の魅力は『職員を大切に』しているところです。

利用者様を大切にすることはもちろんなのですが、利用者様の命と生活を支える職員がいなくてはこの仕事は成り立ちません。

職員の給与UP、年間休日の確保、キャリアアップのしやすさなど、常に職員の満足度につながるしくみを構築することを考え続けています。

 

 

――将来の『SHIPの目標』と『個人の目標』を教えてください。

 

高橋

規模・質ともに日本一を目指しています。

規模を拡大する理由は、2つあります。

 

ひとつは、法人理念の「地域の社会問題と真摯に向き合い、その解決を目指します。」を掲げています。

障害をもつ人が、自身にあった適切な福祉サービスを選択するには、社会資源が不足している社会課題があるためです。

 

ふたつめは、SHIPで働く職員の待遇を向上するためです。

障害福祉サービスでは売上げの上限や職員配置人数がほぼ固定で決まっています。新規の事業を展開しなければ昇給もできず、役職のポジションも空かず、キャリアアップもできなくなってしまいます。

SHIPで働く職員の皆さんには長く働いてほしいと考えておりますので、能力のある方が昇給・昇進できる環境を整えることは法人の使命であり、新規開設に関わる私の使命でもあります。

 

 

高橋

採用面接では毎年100名以上の応募者の方にお会いし、他の事業者のウワサもよく耳にします。たとえば、利益だけを求め、利用者様がないがしろにされ、職員の働く環境がよくないなどという声が、とくに最近は増えてきたように感じます。

SHIPではサービス継続のため利益を求めることはもちろん大切に考えていますが、それ以前にサービスの質、職員のスキルの向上に全力を注いでいます。それらの成果を対外的にも発信することによって、社会の利益にもつなげていこうと考えています。

 

これからは、資格取得を目指す実習生の受け入れや見学会などの機会をさらに増やし、福祉業界全体がさらに魅力ある、未来のある仕事であることを広め、この先も、支援の「質」にこだわった規模拡大を求めていきます。

 

 

 


 

新規事業の展開や採用など、多岐に渡って忙しく活動され、

SHIPの屋台骨として、スタッフの皆さんを温かく支えている様子がうかがえました。

これからも支える側の「職員を大切に」

みんながやりがいをもって働ける職場環境をつくっていきましょう!