パニック障害ってどんな病気…?

ベビースターが美味しすぎて毎晩食べている本部事務局の上田です。
口に入れたときの触感・味… なんということでしょう…
報酬系のドーパミンが脳内をめぐる感覚を味わえます。
 
さて、今回は、知っているようで知らないパニック障害について解説したいと思います。
なんで パニックが起こるのでしょう…?
なんで 外出できなくなってしまうのでしょう…?
その原因と治療法を少しご理解いただけたらと思います。

 
<パニック障害の罹患率など>
パニック障害の罹患率は 2~4%といわれています。
25~50人に 1人の確率で罹る可能性のある意外と身近な病気です。
男女比率は13で女性の方が罹りやすい病気です。
また、パニック障害は『性格の問題』だと勘違いされやすいので、怠けている人・根性がない人だと思われてしまい、まわりの人達に理解されず、苦しんでいる人の多い特徴があります。

<パニック発作とは?>

誰でもパニックになることはあります。
私の場合は毛虫が大嫌いなので、遭遇するとパニックになります。
心臓がバクバクして、冷や汗が出て、気がおかしくなって、死にそうな気分に襲われます。
例えば、夏の新緑の生い茂った場所は毛虫がウヨウヨいそうなので避けています。
この程度の回避であれば、日常生活に支障を来すことはありません。
 
パニック障害のパニック発作は、毛虫の様な苦手の対象がいないときでも同様に起こります。
例えば、たまたま電車に乗っているとき、急に心臓がバクバクして、冷や汗が出て、気がおかしくなって、このままだと死にそうな気分に襲われます。
命からがら次の駅で降りて、駅員さんから介抱されたり、救急車を呼んでもらったりして診察に至るのですが、診断結果は「異常なし」と告げられます。そんなはずはない… 途方に暮れます。
原因は不明… 自分なりにひとつ事実をあげれば『その場所は危険!』ということだけです。

<予期不安と広場恐怖とは?>

「また電車で発作が起きたら…」
「人前で取り乱してしまったら…」
「誰にも助けてもらえなかったら…」
このように良からぬ不安感が頭をめぐることを『予期不安』といい、予期不安が強くなると電車を避けるようになります。恐怖への一般的な反応は回避です。これは普通のことです。
 
はじめのうちは『電車=危険』だけなのですが、電車と同じような場所(逃げたくても逃げられない場所)にも同様の恐怖を感じるようになります。バス・飛行機・映画館・エレベーター… 恐怖を感じる場所はどんどん広がっていきます。このような症状を『広場恐怖』といいます。
ここでもひとつ、今度は客観的な事実をあげると『電車=パニック発作の直接の原因ではない』ということです。『たまたま電車で』発作が出ただけなのです。ただし、あまりの発作のインパクトに、脳はどうしても『電車=危険』と誤学習してしまうわけです。

<問題は予期不安と広場恐怖>
パニック発作自体には『抗不安薬』が効果を発揮します。発作自体は比較的すぐに治まります。
また、SSRIなどの『抗うつ薬』によってセロトニンの伝達を円滑にすることで、ノルアドレナリンの暴走を抑える薬物療法を並行するケースが一般的です。
しかしながら、予期不安と広場恐怖の改善は薬だけではなかなか難しいのです。これがパニック障害を長期化させる最大の要因となります。そして、外出できなくなると、仕事であれば休職や離職の問題へと発展し、最終的には引きこもり生活に移行してしまいます。

<治療法は?>
問題となる予期不安・広場恐怖を克服し、電車で通勤しなければ仕事に復帰することはできません。
そこで、上記の薬物療法と並行した『心理療法』が重要になってきます。
色々な心理療法がありますが、ここでは『エクスポージャー法(曝露療法)』を少し紹介したいと思います。簡単にいうと、広場恐怖にあえて自らを曝し、結果として『実は何も起きない』という事実を脳に再びインプットするイメージの療法です。ちょっと過激な感じはしますが…
『不安階層表』というツールを使うのが一般的で、ゴールを「電車に乗って目的地にたどり着く」ことに設定します。ただし、いきなりゴールである最上級の恐怖に曝すわけではなく、一番低い恐怖から階段をつくり一段ずつクリアしていくわけです。これならできそうな気がしてきますね。

パニック発作に備えて抗不安薬を携帯したり、友達や家族に付き添ってもらうなど、はじめは自分へのハードルを下げることがポイントです。また、強い不安や緊張に備えて『呼吸法や筋弛緩法』などを事前に練習しておき、自律神経の副交感神経(リラックス神経)を優位にするようなスキルを身につけておくと良いでしょう。

<最後に>
パニック障害によって引きこもり状態が続くと、別の病気や障害を併発する可能性もあるので注意が必要です。うつ病との合併率はなんと50%を超えます。また、依存症・社会不安障害・過敏性大腸炎などとの合併率が高いというデータもあります。
適切な治療方法を知っておくことと、最終的には予期不安や広場恐怖と向き合い乗り越える『勇気』が治療の最大のポイントになるでしょう。