上半期の支援成果の棚卸し会

社会福祉法人SHIPでは、職員個々に半期に1度、自分達の支援が上手くいったかの効果検証を実施しています。
 
そして、今回は、グループホームのサービス管理責任者3人と一緒に、お互いの事業所の支援効果を発表し合って、半年間を効果検証しました。

<サクレ江戸川の事例>
新任のサービス管理責任者:大北さんが奮闘の様子を発表してくれました!
新規入居から約半年、対象者がどのように成長していったのか?
プライバシーの観点から事例を詳細に説明できないのが残念なのですが、支援のプロセスを分かりやすく説明してくれました。
当法人の支援理念である『支援される部分を少なくし、自分でできる部分を増やすこと』が実践できた成功事例でした!
 
この支援の良かった点
・生物・心理・社会モデルを基にアセスメントできたこと
・発達障害の特性(想像力の困難さ)と本人のデマンド(一人でやりたい)を支援計画へ反映したこと
・構造化→再アセスメント→再構造化 をご本人と職員全体で繰り返し行ったこと
・再アセスメントの際は、本人の強み(自分が記入したことへのコミットメント)が活かされたこと
 
結果として、生活に見通しが立ち、混乱なくスケジュールを進めることができるようになった。
また、職員にとっても、発達障害の情報統制の困難さ・注目支援の大切さ・ストレングス視点を確認する良い機会になったとのこと!

 

<ラファミド八王子の事例:その①>
サービス管理責任者:田嶋さんが、一緒に働く世話人さんの成功事例を発表してくれました!
4つもの事例を紹介してもらったのですが、とくに印象に残った事例をひとつ。
この事例は、神経症の特性でもある『完璧主義』が如実に出ているケースです。
※完璧主義からの悪循環は誰もが陥る可能性があります。
 
この支援の良かった点
・障害特性からの見立てにより、指示的な反応を抑えることができたこと
 →偏桃体の敏感さから、通常よりも不安恐怖反応が強くでやすい
 →神経症の特性から、何でも完璧な状態になってから行動したい
・これらの特性に対する共感的理解と受容的態度が示せたことで真のパートナーになれたこと
・スモールステップの支援とチェインジトークを強化することで自己効力感が高まったこと
 
結果として、悪くなることはあるものの、立ち直りが早くなってきた。
支援者は『なぜこの人はネガティブなことしか言わないのか…』と感じて、何とか行動を起こさせようと躍起になります。
そんな時こそ『不安の裏側にある願望』を明らかにして、お互いに願望へとアプローチすることが大切ですね。

 

<ラファミド八王子の事例:その②>
サービス管理責任者:原島さんが、改めて大切だと感じた『支援の基本的な姿勢』について発表してくれました!
3つの事例を紹介してもらいましたが、とくに印象に残った事例をひとつ。
『課題が多くどこから手をつけたらいいか分からない…』
とくに『他害等』の不適切行為が顕著だったケース…
 
この支援の良かった点
・入院治療中の関わりを増やして『本当は今後どうしていきたいのか?』を聞きまくったこと
・地域社会で生活するためには『最低限やらないといけないこと』があると認識を共有できたこと
・入院中に病院スタッフさんが社会生活に向けたトレーニング的な関わりを増やしてくれたこと
 
結果として、無事に地域生活を送ることができているとのこと。
支援者は『もうダメだ…』と感じることは多いけれど、『本当にちゃんと支援できていたか?』も改めて考える必要がある!と原島さんは言っていました。
そして最初にも最後にも、本人の意志次第!ということでした。
本当にそうですよね。
 
すごく胸に刺さる言葉でした!

<まとめ>
発表が終わり3人に感想を聞いてみました。
まず、3人とも「このような発表の機会は、今までの支援プロセスを振り返る良い機会になって良かった!」とのことでした。
そして、それぞれの支援の視点を確認し合うことで、お互いに良い部分を吸収し合おうという意識になったそうです。
 
今回の発表は、本当の本当に苦労した部分が発表時間の制約もあって割愛されていましたが、利用者様の苦難→決意→変容の様子、現場で直接支援にあたる世話人さん・生活支援員さんの奮闘の様子はしっかりとイメージできました。
いつも本当にありがとうございます!
 
業務が忙しい中、資料作成・発表と頑張って頂きました3人には本当に感謝感謝です。
お疲れ様でした!