第41期JC-NETジョブコーチ養成研修報告


はじめまして!本部事務局の林です。
 
「私は訪問型ジョブコーチの林です」と名乗れるように、6日間にわたるJC-NETジョブコーチ養成研修を受けてきました。
 
私自身、就労系の障害福祉サービスに8年近く携ってきたので、研修が始まる前までは「正直、得るものは少ないだろうな」と、たかをくくっての参加でしたが、良い意味で、予想に反し、学ぶことが多かったですし、6日間連続で研修場所となった大妻女子大学さんの長めの階段、上り坂を往復することで、たなぼた減量もできました。1週間したら、元の体重に戻りましたが。
 
この研修で学んだこと全てを書くと、書くのが疲れてしまいそうなので、これから支援者になろうかなと考えている方たちが、覚えておいて損のないであろうことを1つ紹介します。
 

 
 
「指示の4階層」を知ろう
 
「支援者同士のやりとり」(製パン作業がある就労系障害福祉サービスという設定)
  後輩支援者A:「この利用者様は、あんぱんを上手に作れないんですよ」
  後輩支援者B:「そうなんですね、じゃあ練習してもらいましょう」
  なんとも、あっさりとしたやりとり。こんな場面あるんです。研修前後で、こんな場面に後輩への声掛けが変わりました。
 
研修前の私
「ちょっとちょっと、何をどこまでできて、どこまでできていないかのアセスメントしよーよ」「それがおわってから、その部分の練習だしさー、はぁー、ったく」
 
研修後の私
「支援の進め方について、少し伝えておきたいことがあります。どこまでができていて、どこまでができていないのか、アセスメントをとりましょう」「そして、できていないところの練習をするときは、指示方法による指示の入り具合を把握するために、指示の4階層をつかいましょう」
 
 
 研修後の私の声掛けの中に「指示の4階層」というキーワードがでてきました。
「指示の4階層」とは、指示の介入度が低い順で「言語指示」「ジェスチャー」「モデリング」「手添え」という4種の指示方法の階層のことです。
 
 支援者は、この「指示の4階層」を意識して、利用者様があんぱんを上手に作れるよう支援をしていくことになります。「『指示の4階層』を意識しなくても、手添えだけで教えた方が早くできるようになるし」という気持ちになった読者の方もいらっしゃると思います。
 
 この事業所は就労系障害福祉サービスなので、早く生産効率を上げることも、もちろん大事です。しかし、このサービスを利用している方の中には、一般就労へステップアップを考えている方もたくさんいらっしゃるので、そこに視野を置いた支援も大事になります。
 

 
 
障害者雇用をする企業の立場で想像しよう
 
 一般就労の場面で、1から10まで、わかりやすく手取り足取り教えてくれる職場なんて滅多にありません。また、上司にとって、簡単な指示だしで仕事をこなしてくれる社員というのは、ありがたいものです。一般雇用と同様に、障害者雇用は、企業も障害者社員もWin-Winの関係であることが、良い関係性を継続していくことにつながります。
 
 支援者として、障害者雇用をする企業の方へ情報提供をする場面を想像してください。
 
①「この仕事については、言語指示だけで理解できると思われます。その仕事のこの部分については、2,3回はジェスチャーで教えてください、その後、言語指示で理解できるようになると思われます。」といえる支援者
②「時間はかかりますが、練習すれば徐々にできるようになると思われます。」としか言えない支援者
企業側はどちらを本当の支援者だと感じるでしょうか?私は、企業側へも安心を運べる①の質の高い支援者になりたいです。
 
 福祉サービスを利用する方には、そのサービスを通過点として利用されている方も多くいらっしゃいます。私にとって、短期的・中期的・長期的な視点をもって、支援にあたっていこうと思えた学習項目でした。