【SHIP職員インタビュー】「パンづくりにも、積極性と挑戦を」ボンシュシュ 渥美良二さん

 

就労継続支援B型事業所「ボンシュシュ」でサービス管理責任者をされている渥美良二(あつみ・りょうじ)さん

福祉とは全くの異業界からの転職でSHIPへ入社されました。

その過程と、これからについてお話いただきました。

 

「いったん人生にリセット」

――渥美さんは、SHIPに入るまで飲食業そして金融と異業種での経験を複数なさっています。その経緯を教えてください。

 

渥美

大学卒業後、マーケティングや店舗開発に携わりたいと思い、まずは飲食業界に入りました。

ファーストフード運営会社に勤務し、店舗運営販売に携わりました。それから金融業界に鞍替えし、建物や土地などを担保にお金を貸し出す不動産担保ローンを扱いました。銀行が閉まる午後3時までに手続きを済ませなければいけない、などとにかく時間に追われる仕事でした。

 

当時30代半ばで、このままの働き方で40代や50代を過ごしていくことのイメージがつきにくかったこともあり、勤務先の外資系金融機関が日本から撤退するタイミングで、募集していた早期退職に応募し、いったん人生にリセットをかけました。

 

 

その後は、1年半~2年くらいは仕事をせず充電期間としました。それまでの激務とは対照的に、のんびり時間を取って旅行に行ったりと、とても良いリフレッシュになりました。

その充電期間中、雇用保険の手続きをしにハローワークへ行った際、面談で介護業界を勧められました。高齢者の方と接するのは好きだったので、介護職員実務者研修を受け、特別養護老人ホームで実習をしました。そこでの経験から、福祉や介護の業界に興味が湧き始めました。

 

福祉関連の資格として「社会福祉士」に特に興味を持ったので、デイサービスで介護のアルバイトをしながら、夜は専門学校で社会福祉士になるための勉強をし資格を取得しました。

同時に、精神障害のある方への福祉活動にも注目するようになり、グループホームの存在を知りました。「自分の資格を生かして、精神障害を持つ方を支える仕事がしたい」と考えるようになり、SHIPの運営する障害者グループホーム「サクレ江戸川」に世話人として勤め始めました。

 

 

 

 

――色々な経験をされてきたんですね。どうしてSHIPに?

 

渥美

実は、訪問型の歯科医の相談員という就職口もあったんです。でも、当時障害福祉という業界には唯一絶対の独占企業がなく、それに加えて将来性がある業界だと思いました。またサクレ江戸川の面接のときに、「私たちは日本一を目指しています」と言われたこともあり、チャレンジしてみたいと考えました。

その後、江戸川で就労継続支援B型事業所を立ち上げようという話になり、パンづくりを通して就労の機会と訓練をするエスプリ・ドゥのオープニングスタッフとして勤務しました。また、「エスプリ・ドゥ」での経験を生かして、同じく八王子にあるパン工房のエスプリのサービス管理責任者となり、その後、ボンシュシュを立ち上げて現在に至ります。

 

 

 

ぜんぶやる

――渥美さんは、現在の「ボンシュシュ」ではどんな仕事をされているのでしょうか?

 

渥美

全部です!(笑) サービス管理責任者として利用者様へのサービス内容とその提供に関すること、個別支援計画書の作成などもやりますが、それだけではなく厨房に入ってパンづくりをしたり、店内で販売接客もしたりします。

ボンシュシュは利用者様の就労場所を提供したり訓練を行なったりするだけでなく、地域のお客様へパンを売って売上を上げて事業を拡充し続ける「パン工房」です。そのためには、できるだけ売上を上げるための課題に取り組まなければなりません。そして、その課題は現場に落っこちています。現場での体感を大事にしていきたいと思っています。

 

 

――全部!それは大変じゃないでしょうか?

 

渥美

大変なところもあります。イベントが絡んだりするときは、それこそイベント現場での設営・販売・撤収までずっといます。たまにではありますが、そんなときは体力的に負担があるなと思うときもあります。しかし、それもたまにですし、そもそも日々の「ボンシュシュ」での仕事が楽しいので続けられています。

 

大変さでいうと、立ち上げてから数か月の期間は、なかなか計画通りにいかなくて苦戦した印象がありますね。最初は「パンがつくれない」という苦労ですね。立ち上げたのが2022年の4月なんですが、だいたい6月ぐらいまでは目標とする一日1,000個のパンがつくれませんでした。

1,000個つくれるようになっても、そのつくった1,000個を売ることができないという悩みもありました。そうこうしているうちに、7,8月ぐらいからは地域の皆様にも知られるようになり、売上もあがるようになっていきました。

 

 

 

――それは凄いですね!どうやって供給と売上を上げていったのでしょうか?

 

渥美

PDCAをとにかく速く回すことでした。パンづくりをしていると、「いいものをつくりたい」という気持ちが勝って、マーケティングをしっかりやって、それを元に商品開発を時間をかけてやって、となりがちです。そうではないんですね。その時その時の判断で、「これがダメなら次はこれ!」と小回りを利かせて数多く打ち手を出していくことが大事だと思います。

 

 

――そんな中、どんなところにやりがいを感じますか?

 

渥美

職員や利用者様の成長が自分のやりがいです。今、「ボンシュシュ」では、当初の目標であった1,000個の倍の2,000個のパンを一日でつくっています。そして、今でもなお「どうやったらより多く売れるか」について皆で考えて実行しています。

例えば、より多く店舗にお客様のいらっしゃる昼間だけでなく、仕事帰りのお客様のために夜にお店の前で袋詰めのパンを売ったりだとか。そうした打ち手が成功することもまた満足感の源ですね。

サービス管理責任者として、パンをつくる作業の優先順位を考えたり、製造工程の人員配置を工夫したりして成果が上がったときはとても嬉しいですね。そして、就労継続支援B型事業所でも高い工賃という形でわかりやすく結果が出てきます。

 

 

 

ボンシュシュって、こんなところ

――「そんな「ボンシュシュ」、どんな特徴を持った事業所なのでしょうか?

 

渥美

活気がある」「仕事にていねい」という特徴があると思います。

利用者様は、精神障害を持った方が6割、知的障害を持った方が4割という割合で、30代後半の利用者様が多いです。また、男女比は半々ぐらいで、男女等しく活躍できる安心感ある職場ですね。ただ、単なる仲良しこよしではなく、「売る集団」としてもきちんと成立していると思います。

 

ボンシュシュの特徴的なところとしては、利用者様の支援パッケージ「パンチャレ」というシステムを作っています。

パンチャレは、パンの生産販売に関する活動全般のスキルUPにチャレンジする制度で、「製パンコース」と「販売・接客コース」に分かれています。それぞれのコースはレベル1~6まで段階が付けられており、利用者様ごとに適切な「根拠ある支援」ができるように考えています。

 

こうした利用者様への支援と共に、パン工房として「より高い売上」「職員さんの育成」も目標にしていきたいと考えています。

 

 

 

「ボンシュシュで一緒に働きたいひと」

――ボンシュシュでは、どんな人と一緒に働きたいですか?

 

渥美

まずはポジティブな人ですね。いい意味で反省しない人です。心の中で反省はするけれど、あまりクヨクヨせずに前向きに取り組んでいける人がいいですね。そしてチャレンジできる人も合っていると思います。

ボンシュシュでは色々な取り組みをスピード感を持って実行していくので、何事にも当たっていく気概のある方は向いていると思います。最後に、探求心を持っている人。どんな作業のどんな動作にも、「なぜ?」と考えられる人です。どんなことでも本質を捉えていけるといいですね。

 

 

――では、ボンシュシュだけでなく社会福祉法人SHIPに向いている人は、どんな人でしょうか?

 

渥美

やはり探求心を持ち挑戦できる人だと思いますが、SHIPの他の職員さんを見ると、色んな人がいるんですね。その状態がいいのかもしれないなとも思っています。だから、そういった「自分の色」を出せるような、てらいなく自分を表現できる人は合っているのかもしれません。

 

 

 

「自身のこれから」

――そんな渥美さん、最後にご自身のこれからの展望をお聞かせください。

 

渥美

個人的には、ボンシュシュをモデルとして、他の事業所の立ち上げをやってみてもいいなと考えています。別にサービス内容はパンづくりでなくても良くて、他のことをやってもいいと思います。

 

また、今の仕事からは少々外れますが、将来的には福祉業界のNPOや社会福祉法人や株式会社などのM&Aですね。事業を合体したり法人同士を合併させたりすることでよりクオリティの高い福祉サービスを提供できるような、そんな企業再編をすることも面白いなと思っています。

 

 

 


 

渥美さん、ありがとうございます。

何事にもポジティブにチャレンジしていく渥美さん、

これからも頑張ってください!