【職員インタビュー】「変わりない毎日が勝ち組の証」『サクレ江戸川』池嶋さん

 

障害者グループホーム「サクレ江戸川」で職員をされている池嶋(いけじま)さん

福祉系の大学を卒業し、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得して、新卒でSHIPへ入社。
サクレ江戸川で世話人として働いて8年になります。

その過程と、これからについてお話いただきました。

 

福祉の仕事は「面白い」

――障害者グループホーム「サクレ江戸川」で職員として働いている池嶋さんですが、そもそもどうして福祉の世界に興味を持ったんですか?

 

池嶋

私は祖母が大好きで、高校生の頃に祖母が入所している老人ホームによく行っていたんです。そこで介護の仕事をしている職員の方々を見て、人の助けになるような仕事をしていきたいと思い、福祉業界への興味が湧きました。その興味のまま福祉系の大学に行き、SHIPへ入社し、サクレ江戸川で働き始めました。

 

――実際に福祉の仕事をしてみてどうでしたか?

 

池嶋

正解がないという点で「面白い」です。求められる結果が1つで、それに向けて完璧にミスなく仕上げるようなタイプの仕事は窮屈に思えて苦手で。福祉、特に私がやっているグループホームの世話人のような仕事は、利用者様と正解を一緒に見つけていくようなものなんです。そのプロセスに楽しさ・面白さを感じます。

 

 

 

――世話人というのは、どういうお仕事なのですか?

 

池嶋

世話人は、利用者様の地域の生活の全般的なサポートを行ないます。文字通り、利用者様に関して様々なお世話をする仕事です。

 

例えば、お金の管理ですね。お金を使うというのは計画性が必要とされます。計画を立ててそのとおりに行動するのが苦手な利用者様は多く、いつまでにどれくらい支出して良いのか、もしくはいけないのかを、出納帳などを一緒につけながら管理していきます。使わなければ使わないほど良いというのでもなく、かといって過剰に支出してしまうと困ってしまう。収支のバランスの取れた計画を考えて、そのとおり実行するサポートをしています。

 

 

 

また、体重の管理をしたり、着替えをきちんとできるようにお手伝いしたり、歯磨きのやり方をお教えしたりするのも世話人の仕事です。たとえば、歯磨きがきちんとできていなかった利用者様は、毎日の歯磨きを10秒程度で終わらせてしまうので、歯医者さんへ同行して歯科医へ現状を報告しサポートする、というところまでやりました。「なんでも屋」と言ってもいいかもしれません。

 

こうして、利用者様のお世話をしていくと、むしろ自分たちが当たり前に毎日の生活をしていけていることが実は当たり前ではなく、「習得するスキル」なんだと思うようになりました。そう考えると、利用者様がスキルを習得していく様子に充実感を覚えるようになり、一層仕事に面白さを感じるようになりました。

 

 

最初から「面白かった」?

――池嶋さんは、本当に仕事を楽しんでいる様子が伝わってきます。最初からそのように感じられていたのでしょうか?

 

池嶋

実は、最初からそうではありませんでした。世話人は利用者様がお部屋を綺麗に使うための支援もします。それにも関わらず、以前の私は部屋が散らかり放題でした。部屋が散らかっていると、頭の中も雑然としてしまいます。その結果、仕事にも積極的になれずじまいでした。

 

そこで、一念発起して「整理収納アドバイザー」という資格を取りました。それからガラッと考えが変わりました。整理収納を実践すると、生活が楽になり、基盤がしっかりします。すると、頭の中を占めていた色々な雑念も減り、「やるべきこと」「やりたいこと」が明確になって、それらを行動に移しやすくなりました。仕事に対して前向きに取り組むことができるようになり、それが仕事の面白さを感じることにつながりました。

 

 

 

 

――前向きに取り組むようになって、自分ならではの仕事のスタイルができたのでしょうか。

 

池嶋

サクレ江戸川を含む障害福祉を行う事業所ではどこでも、サービス管理責任者という所長のような役職の人が、利用者様別に「個別支援計画」というものを少なくとも半年に1回は作ることになっています。私は、サービス管理責任者が作る個別支援計画とは別に、利用者様ごとに「毎月の宿題」を出しています。担当する利用者様全員と毎月振り返り面談を行ない、具体的で達成できる目標を決めて、それを宿題としています。

 

私はとにかく「利用者様に楽しんでサクレ江戸川での生活を送っていただきたい」と考えています。そのため、あまり行動を制限するような方向にはせず、無理なく生活を改善していけるような支援を心がけています。例えば、とても菓子パンを食べるのが好きな利用者様がいらっしゃったのですが、「菓子パンはだめ」と全面的に禁止するのではなく、「週4回食べているのを、まずは週3回からにしてみませんか?」とスモールステップで改善するような提案をしてみました。すると、利用者様ご自身も無理なく食べ過ぎを減らすことができるようになっていきました。

 

 

 

また、整理収納アドバイザーの知識を生かして、部屋の整理、より利用者様のライフスタイルにあったレイアウトを考えるのも、自分ならではと言えるかもしれません。漫画が大変好きな利用者様が、入居時にたくさんの段ボールを運びこんでいました。その中は全部漫画です。ただ、運び込んで終わりになっていました。部屋には段ボールに入ったままの漫画がたくさんあるという状況でした。

 

それではせっかくサクレ江戸川での生活が楽しめない、と思い、利用者様と一緒にたくさんの段ボールを開けて、その漫画の量に見合うだけの本棚を一緒に買いに行きました。そして、全部の漫画をきれいに収納できるようなレイアウトを話し合い、趣味を楽しめる部屋にすることができました。

 

 

 

また、プラモデルを作るのが大好きな利用者様も、当初は部屋中に荷物が散らかっており、とてもプラモデルづくりをするような環境ではありませんでした。そこで、部屋の物の配置を工夫してプラモデルを組み立てるスペースを確保し、プラモデルを定期的に購入できるよう金銭管理ルールを決めました。

 

そういった形で、整理収納アドバイザーの知識を生かした支援を行なうことができているのは私にとってとても有意義に感じられ、意欲的に仕事に取り組める理由となっています。

 

 

育休や時短勤務、その実際のところは?

――ところで、SHIPの産休・育休制度を利用した初の職員だそうですが、利用した感想などを教えてください。

 

池嶋

産休と育休あわせて1年ほど取り、現在も時短勤務をしております。とても配慮が行き届いていて助かっています。子供はいま保育園に通わせているのですが、よく熱を出してしまうのです。そうなると、仕事中であっても保育園から連絡がきて、子供を引き取らなければいけないのです。保育園に通わせている子供を持つ親であれば誰でも経験することなのですが、その都度、どちらの親がいつ迎えに行くか、休んでいる間子供の世話はどちらがするのかなど、仕事をする上ではかなり課題を抱えてしまいます。

 

会社によっては、子供を迎えに行くことすらできなかったり、迎えに行けたとしても周囲から心無いことを言われたりすることもあるようです。私の勤めるサクレ江戸川は、その点とても配慮をしてもらっており、私がいつ帰っても大丈夫なシフトを組んでもらっています。他の職員さんは「早番」「遅番」という体制で出勤シフトを組んでいます。私はそのどちらにも属さない「日勤」という出勤パターンで仕事をしています。

 

 

また、育休が終了する際、復職してからの配慮事項を聞かれましたので、時短勤務に加えて、もしものときには仕事途中でも帰宅することを理解して欲しいと伝えたところ、実際に子供が熱を出したときには、「早く帰ってください」と他の職員さんに言われるなど、まさに申し出た要望のとおり周囲には理解してもらっています。

 

その結果、より職場への愛着、「ここで働いていて良かった」と思うようになりました。1週間ほど子供が熱を出して休んだときのこと、そのくらい長い日数になると面倒を見ている私も辛くなってきます。次第に感情の起伏が激しくなり、息がつまるような感覚に襲われました。やっとのことで子供を保育園に送って出勤したときに、皆私を労わってくれて、いい意味で職場が気分転換の場になり、なお一層前向きに仕事に取り組むことができました。

 

 

 

池嶋さんの「これから」

――そんな池嶋さん、これからはどうしていきたいですか。

 

池嶋

とにかく、利用者様が楽しく生活していける場にサクレ江戸川をしていきたいです。利用者様と時間を共にすることで、自分自身にも変化が訪れました。それは、日々の生活の大切さです。

 

私たちは、当たり前のように変わりない毎日を過ごしています。でもそれは、利用者様にとっても当たり前とは限りません。朝起きて、朝食を取り、手早く歯磨きを済ませ、仕事に行く。指示通りに仕事を済ませる。帰宅し夕食を摂り、余暇を楽しむ。障害などの理由でそういったことができないことがあります。

 

 

逆に、どんなに障害があっても、どうにかして「生活をする」ことができて、しかも自分なりにでも楽しめるものを見つけられれば、もうそれだけで人生勝ち組だなと思うようになりました。これは、自分にとっては成長の証だと考えています。

 

これからも、利用者様がそんな人生勝ち組になれるよう寄り添って支援していきたいと考えています。

 

 

 

池嶋さん、ありがとうございます。

日常的な毎日を送ることの価値に気付き、その価値を利用者様に感じてもらえるように前向きに取り組んでいる様子が伝わってきました。

これからもその経験を糧に、頑張ってください!