【職員インタビュー】「利用者様ファースト」のための「職員ファースト」
グループホーム友セカンド:堀さん
美術大学出身の堀さん。
10月からグループホーム「友セカンド」の主任として、支援とチーム運営の両方を担っています。
福祉に入ったきっかけからSHIPを選んだ理由、現場で感じているやりがいと課題などをお聞きしました。
福祉の入口は、美大時代の「夜勤バイト」だった
――福祉業界に入ったきっかけを教えてください。
堀
美大の学生のとき、知人に紹介されて、グループホームの夜勤の世話人のアルバイトを始めたのがきっかけです。僕は絵が得意で美大に入ったんですが、得意ではあっても、実は好きではありませんでした。就職もどうしようか悩んでいました。
そのアルバイト先で、利用者様が夢中で絵を描いているのを見たときに「すごいな…」って思ったんです。描かなくてもいいのに、好きで描いている。僕は得意でも、好きでやっているわけではない。そこに、諦めとか尊敬とか、いろんな気持ちが混ざったのを覚えています。
最初は「障害のある方が描いたものを商品化する」とか、そういうことにも面白さを感じていました。福祉の世界って思っていたよりずっと面白そうだなと思ったんです。

「ずっとアルバイト」から、福祉でやっていく覚悟が決まるまで
――それからのキャリアを教えてください。
堀
SHIPに入るまで、ずっとアルバイトでした。グループホームを転々としたり、掛け持ちしたりして、5か所くらい経験しています。長いところだと5年くらいです。
正社員のお誘いもあったんですが、当時は人手不足で残業だらけの職場も多かったです。そんな現場で疲弊している正社員を見ていると、福祉で働き続けることに対して不安がありました。だから毎回、正社員は断って、パートの立場を守っていました。
給料面も気になっていました。福祉は制度で報酬が決まっている部分もあるせいか上限が見えやすく、「この業界で頑張っていけるのかな?」って思っていたんです。
でも、ひとり暮らしを始めてみたら、「このくらい稼げていれば、案外やっていけるかも」と分かってきました。そこで、「福祉でやっていこう」と腹が決まりました。
「やってるなぁ!」と思えたから、受けてみようと思った
――SHIPに入ったきっかけ、理由を教えてください。
堀
転職エージェント経由でスカウトメールが来て、社会福祉法人SHIPを知りました。まず給料面で「安定していそうだな」と目に留まりました。そこから中身を見ていくと、YouTubeやスタッフブログなどで、支援の取り組みを積極的に発信しているのも安心材料でした。
発信内容も良かったのですが、僕はそれ以上に「発信している姿勢」が好きでした。「取り組んでいる」という事実が、「良い会社なんだろうな」と思える材料になったんです。
もし自分が施設を持っていたら、こういうことをやりたい。SHIPはそれをやっている。だから「とりあえず受けてみよう」と思いました。面接が誕生日の日だったのも、今思うとちょっとしたご縁だったかもしれません(笑)。
小さなチャレンジが「いいね」と言われる職場
――SHIPで印象に残っている経験はありますか?
堀
2025年の10月に主任世話人になったのですが、その前後で業務改善に力を入れていて、それを評価してもらった面はあると思います。ただ、「世話人として良い支援ができているか」という意味では、まだまだだな、と感じることも多いです。利用者様との関わりも試行錯誤です。
その中で「やってよかったな」と思えたのが、3Dプリンターでおもちゃを作って利用者様に渡し、余暇活動につなげたことです。海外で人気の指先で遊ぶおもちゃの設計資料がネットに上がっていて、それを印刷しただけなので、そんなにすごいことをしたわけではないんですけど(笑)。
でも、SHIP全体が「いいね」と言ってくれる雰囲気がありました。「新しいことをやってみる」ことを応援してくれる会社なんだな、と感じました。美大の経験が、こういうところで活きているのかもしれません。

主任になって増えたのは「情報共有の難しさ」
――現在、どのような役割を担っていますか?
堀
主任として、利用者様が安心して暮らせるよう支援を提供しています。主任の役職に就き、責任が上がった分、シンプルにやりがいはあります。
大変だなと感じているのは、情報共有の仕組みづくりです。以前は5〜6人くらいの規模で、わざわざ共有を工夫しなくても回っていました。でも今はパートの方も含めて人数がすごく多いので、そうはいかない。
パートの方からも情報をもらう必要があるのですが、一人ひとりから口頭で集めるのは現実的じゃない。ここは工夫が必要で、大変なところです。
ただ、「主任になったから業務が増えすぎて大変」という感覚は、そこまでありません。自分から動いて忙しくなっている部分が大きいからです。
ですから、基本的には働きやすい職場だと思います。1つのグループホームに複数名の正社員を配置できているのも、すごいところです。
問題行動にも、ご本人なりの理由がある
――利用者様にはどのような方が多いですか?
堀
言葉によるコミュニケーションが難しい方々が多いです。働き始めた頃は分からないことだらけでしたが、半年ほど経つと、個々の特性が少しずつ見えてきて、「問題行動にもご本人なりの理由があるんだな」と感じるようになりました。
たとえば服を何度も着替えようとしたり、次の服を要求してくる方がいらっしゃいました。最初は「着替えるのが好きなだけかな」と思っていました。でも見ているうちに、着替えることで次の行動に行ける、みたいな認識があるのかもしれない、と予想できるようになってきました。
服を踏みつける方もいます。今でもはっきりとはしていないんですが、肌触りを気にしていたり、服が汚れてしまったことが許せない、納得いかない、みたいな感情があるのかもしれない。いずれにせよ、何かしら理由があると思って向き合っています。

「見通し」をつくる支援:2か月分のカレンダー
――支援ニーズや対応について、エピソードはありますか?
堀
今はまだ、しっかり支援に落とし込めて「結果が出ました」と言える段階ではなくて、どれも途中だという実感です。
取り組みの一つとして、カレンダーの導入があります。外出にこだわりのある利用者様で、移動支援が月1回の土曜日しかないんですが、カレンダーがないと毎週そわそわしてしまったり、移動支援の前日に「明日はあるのか?」と期待と不安で寝られず、夜中に徘徊してしまうことがありました。
※移動支援とは、障害のある方々の余暇活動をはじめとした外出をサポートするサービスのこと
そこで2か月分のカレンダーを作って、いつ移動支援があるか分かるようにしました。すると、「明日はあるのか?」と毎週気にしてしまう行動は、かなり減りました。前日は楽しみで寝られないこともありますが、それ以外の週の不安は減った感覚があります。
ただ、関係なく寝られず徘徊している日もありますし、週末の睡眠薬が増えてしまっている面もあって。だから手放しで成功とは言えないんですが、方向性としては意味があるんじゃないかと思っています。

職員が安心しているから、利用者様の安心につながる
――支援にあたって大切にしていることは何ですか?
堀
最終的に、ご本人にとって有益な支援になっているかです。
そのためにも、職員が安心して働けることは大事だと思っています。「職員ファースト」とは、なかなか掲げづらい言葉だと思います。でも、職員が安心していないと利用者様も安心して暮らせない。利用者様ファーストの中にある職員ファーストという感覚です。
それができていると感じるのは、金銭面での利益を職員に還元していることや、職員の人数をしっかり配置できていることですね。他の法人だとパートさんばかりになりがちですが、正職員をたくさん揃えられていて、助け合いができる。ひとりが抱え込むこともそこまで起きない。残業もない。研修制度も充実している。
できてから10数年なのに、SHIPはそれができているのが良いなと思っています。

手厚いからこそ出てくる「支援のばらつき」という課題
――逆に、課題を感じるところはありますか?
堀
他のグループホームに比べると職員が多く手厚い分、細かな情報共有が行き届かず、支援にばらつきが出てしまうことです。統一した支援の難しさを感じますし、世話人の方たちも難しいと思っている。みんなが課題として認識しています。
――それを解決するために考えていることは?
堀
情報を整理して、収集方法と共有方法を適正化することです。ご家族とはLINEでの情報共有を始めたところで、これは(このインタビューの)3日くらい前から動き始めています。
職員間の情報共有は頻繁にできているんですが、週1回勤務のパートさんへの共有が課題です。世話人間ではSlack(スラック:デジタル掲示板のツール)を使ったりしているので、そのようなデジタル技術を使って、情報収集・共有の質を変えていきたいです。
また、パートさんにも見られるような状態(スマホ貸与など)をつくって、支援に関わる全員が納得して働ける情報共有の仕組みにしていきたいと思っています。

「参考にされるグループホーム」をつくりたい
――友セカンドのおすすめポイントを教えてください。
堀
個々の特性に合わせた支援を考えるというのを基準に置いているところです。
みんなで同じことをするのではなく、個々からスタートして支援を考えていく。入居者のご家族も「個々を見てほしい」と思っているはずなので、そこは大事にしています。
――将来の目標を教えてください。
堀
他の事業所が参考にしたいと思えるグループホームをつくることです。
重度知的障害のある方が20名生活する施設は珍しいので、この環境を強みにして、モデルとなる事業所づくりに取り組みたい。だからこそ、構造化支援などは重要だと考えています。
――最後に、転職を検討している方へメッセージをお願いします。
堀
福祉の仕事は、言葉では測れない本質と向き合う仕事だと思います。大変なこともありますが、その分だけやりがいがあります。
SHIPはチャレンジする姿勢を応援してくれる環境なので、新しい視点を持った方には、きっと楽しく働ける場所だと思います。

堀さん、ありがとうございました!
「職員が安心して働けることが、利用者様の安心につながる」
そのために、支援の質を上げていく情報共有の体制を整え、個々の特性から支援を組み立てていく。
「参考にされるグループホーム」に向かって、これからも取り組んでいってください!
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フリーランス/リワークトレーナー/タスク管理習得支援ツール「タスクペディア」原作者
