【職員インタビュー】「やってみよう」の一歩が、いまの私につながっている「笑プラス」久米さん

「支援の仕事に興味はあるけれど、自分にできるだろうか」

そう感じている方は少なくありません。

社会福祉法人SHIPでは、未経験から一歩を踏み出し、利用者様とともに成長しているスタッフさんがたくさんいます。

 

今回ご紹介するのは、生活介護事業所「笑プラス」で働く久米さん。

子育て経験から福祉の仕事へ興味をもち、迷いながらも自分らしい支援の形を見つけてきたスタッフさんです。

「まずは、やってみよう」その小さな一歩が、今のやりがいにつながっている。久米さんの歩みを通して、SHIPの職場のリアルをお届けします。

 

子育ての経験から、福祉の道へ

――久米さんが、福祉の仕事に携わることになったキッカケを教えてもらえますか?

久米

もともと「子どもに関わる仕事をしたい」という思いがありました。

子育てを通して、発達に特徴のあるお子さんや、障害のあるご家庭と関わる機会が増え、少しずつ「福祉」という分野に興味を持ち始めたのがきっかけです。

当時は無資格・未経験で不安もありましたが、「まずはやってみよう」という気持ちで飛び込みました。

その一歩が、いまの私につながっています。

これまで接客業や販売業を経て、高齢者施設や障害者施設、救護施設、病院など、さまざまな現場を経験してきました。

振り返ると、そのすべてがプラスの経験になっています。

 

「人の魅力」で決めた、SHIPへの転職

――SHIPへの入社を決めた理由も教えてください。

久米

転職を考えたのは、5年後・10年後の自分を思い描いたとき。

「このままでいいのかな」「もう一度、自分のやりたい仕事に挑戦したいな」と思いました。

子育てもひと段落し、次のステップに進みたいと考えたんです。

SHIPに出会ったのは、そんな時でした。

 

採用のプロセスで笑プラスを体験させてもらった時に印象的だったのが、屋外活動で同行していただいた事務局の中村さんというスタッフさん。

わたしと同じ40代の頃に、まったくの異業種から福祉業界へと新たなチャレンジをしたことを聴きながら、その充実した姿を見て、「自分もこの人のように働きたい」と思いました。

 

実は、今までは誘いを受けての転職が多かったのですが、SHIPは唯一、自分で選んで自分で決めた職場でした。

入社してみると、想像以上に学びが多く、支援のレベルも高く、良い意味での緊張感に包まれた環境でした。

最初の半年間は正直、ついていくのに必死で「転職を間違えたかも…」と思ったほどです(笑)。

でも今では、あの時の苦労がすべて成長につながっていると感じています。

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――笑プラスには、どんな方が通われていますか?

久米

20代〜30代が中心で、男女比はほぼ半々。

重度の知的障害や精神障害をお持ちの方、とくにASD(自閉スペクトラム症)で強度行動障害のある方が多く通われています。

言葉で気持ちを伝えることが難しい方も多いため、笑プラスでは「観察力」をとても大切にしています。

たとえば、ADHDと感覚鈍麻の特性をもつ利用者様のケースですが、熱による体調不良を自覚できないという特性があります。

私たちであればダルさを感じたら寝込んだり、机に伏したりするのだと思います。でもその利用者様は、いつもと変わらずに動き回っていらっしゃいます。

ただ、よくよく観察していると、いつもより顔が赤いかも…  いつもより手が熱いかも…  少し辛そうな顔をしていそうだな…  と推察できるときがあります。

そうした小さな変化に気づけるかどうかが支援の鍵になります。言葉を持たず、痛みに鈍感な方の支援では、私たちが代わりとなって、どれだけ気づけるかが本当に大事だと思い知らされる日々です。

 

一人ひとりに合わせた『環境づくり』

――笑プラスの活動内容について、少し詳しく教えてもらえますか?

久米

笑プラスの日中活動は「屋内活動」と「屋外活動」に分かれています。

屋内では自立課題プログラム(作業・余暇・サーキット活動など)、屋外では散歩やドライブなどを行っています。

私自身は、現在はプログラムや屋外活動よりも、個別の「環境調整」に力を入れています。

たとえば、強い刺激や人の動きが混乱につながる利用者様も多く、支援者の声や言葉が刺激となりパニックにつながることもあります。

そのため、活動中の室内ではスタッフ同士の会話は極力禁止としています。

そのほか、動線や光の入り方を調整したりするなど、できるだけ落ち着いて安心できる空間を整えることで、活動にも集中してもらえるよう心がけています。

とくに「人も刺激になる」という視点をスタッフみんなで共有することで、チーム全体の支援の質も上がってきたと感じています。

 

自立課題支援の魅力と “チリツモの成長”

――自立課題プログラムについても、少し教えてもらえますか?

久米

自立課題やアセスメントを通して、利用者様の新しい一面が見えてくることがあります。

「できた」「できなかった」だけでなく、次の支援につながるヒントが見つかる。その積み重ねが、確かな成長につながるのです。

半年に一度の個別支援計画会議では、過去の記録を振り返るたびに気づきがあります。

たとえば、以前は椅子に座っていることすら難しかった利用者様が、半年後には自分から課題を選び、最後まで取り組めるようになっていた。

日々は小さな前進でも、長い目で見れば大きな成長を感じられる。

その瞬間がこの仕事の一番のやりがいです!

 

「利用者様が先生」だと感じる日々

――ご自身で、SHIPに入社して「成長」を感じられる部分はどのようなことでしょうか?

久米

ある利用者様の支援を通じて、「この方にとって笑プラスに来られること自体が、すでに大きな一歩なんだ」と気づかされたことがあります。

この方のコミュニケーションツールは、『座り込む、泣く、自分の頬を殴る』の3つだけ、関わり方はいつも試行錯誤の連続でした。

ある日、ご自宅であるグループホームに伺った時のこと、その方はベッドに座って過ごすだけで、まったく動くことはありませんでした。

そんな利用者様が、笑プラスに来れている。そして、活動に参加している。笑顔を見せてくれることもある。

「あぁ、ゆっくりだけど、とても成長されているんだなぁ」

「私たちも、この方に成長させてもらっているんだなぁ」

そんな思いがふとよぎりました。

 

そして、「私たちが教えているのではなく、教えられているんだ」ということを実感しました。

私はよく「利用者様が先生」と言っています。

私たち支援者は、利用者様の行動や表情を通して、自分の支援の正しさを確かめ、また学ばせてもらっています。

支援を通して、自分自身が成長させてもらっているのです。

 

職場の雰囲気とチームの魅力

――笑プラスの職場の雰囲気はいかがですか?

久米

笑プラスは、年齢層も経験値も幅広く、お互いを尊重しながら働ける職場です。

とくに驚いたのは、パートスタッフさんの支援力の高さ。

「ベテランの社員さんですか?」と聞いたら、「パートタイムですよ」と言われて驚きました(笑)。

立場を超えて学び合えるのが、SHIPの大きな魅力です。

全員が「より良い支援をしたい」という同じ方向を向いている。

だからこそ、困ったときに支え合えるし、意見を言い合える。

そんな風通しの良さが、笑プラスの最大の強みだと思います。

 

SHIPで得た変化と、これからの想い

――その他、転職してみてのご自身の変化などあれば教えてください。

久米

SHIPに入ってから、物事の見方が柔軟になりました。

以前は「こうすべき」と決めつけてしまうことが多かったけれど、今は「この人にとって何が良いか」を多面的に考えられるようになりました。

コミュニケーションの取り方も変わり、家庭でも子どもとの関係が穏やかになった気がします。

仕事とプライベートをしっかり分けられるようになり、心に余裕が生まれました。

今は、子育てと仕事を両立したい方や、ブランクがあって不安な方の力になりたいと思っています。

そうした人たちが活躍できる職場づくりに、自分も貢献していきたいです。

 

最後に、SHIPを目指す方へ

――笑プラスには、どんな方が通われていますか?

久米

障害福祉に興味があり、自分の成長を望む方には本当におすすめの職場です。

最初は戸惑うことも多いと思いますが、乗り越えた先には、必ず “手ごたえ” があります。

「やってみよう」と思えたその気持ちを大切に。

きっとSHIPには、あなたの一歩を支えてくれる仲間が待っています!

 


 

久米さんの言葉から伝わってくるのは、「支援すること=学び続けること」という姿勢でした。

利用者様一人ひとりの世界を理解しようとする日々の積み重ねが、自分自身の成長にもつながっていく。

SHIPには、そんな「体験と成長の文化」が根づいているんだなぁ・・・と、喜びを噛みしめていました。

転職など、人生の決断となる最初の一歩は、誰にとっても不安ですよね。

でも、笑プラスやSHIPには、支え合いながら『良い支援を目指す』ために成長し合える仲間がたくさんいます。

あなたの「やってみよう」という気持ちが、新しい支援の形を生み出すかもしれません。

その一歩を踏み出してみようと感じていただけましたら、以下の採用情報もチェックしていただければと思います。

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