【職員インタビュー】グループホーム「友」で働くという選択(小笠原さん)

今回は、グループホーム「友(とも)」で働くの小笠原さんにお話を伺いました。

異業種から福祉へ。

長年の営業経験を携えてグループホームの世話人となり、主任になった小笠原さんに、転身の理由、現場のリアル、働きやすさ、そしてこれからの目標をうかがいました。

福祉分野へのキャリアチェンジを考えている方にとって、働き方の違いやリアルが伝わる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

もう一度、違う景色を見てみたい

――小笠原さんが福祉の世界に入ったきっかけはなんでしょうか?

小笠原

正直に言えば、「もう一度、違う景色を見てみたい」と思ったからです。自動車業界で、整備士を3年、営業を30年。やり切った達成感はありましたが、50代半ばで「このまま定年まで同じ目標を追い続けるのか」と自問しました。

営業は売上が第一。数字を達成する喜びは大きい一方で、次の数字に追いかけられる日々に、少し飽きが来ていたのも事実です。

そんなとき、ずっと胸の奥にあった「人のために働きたい」という思いが強くなりました。母が介護福祉士として高齢者施設で働き、八十歳を過ぎた今もパートで現役です。母の話を聞き、働く姿を見て、自分にもできるのではないかと感じました。

営業でも人と関わってきましたが、違った視点で「もっと人と深く関わる仕事を」と考え、福祉に飛び込む決意をしました。

 

相手の困りごとを先回りする

――異業種のキャリアで、特に印象的な出来事はなんでしょうか?

小笠原

十八歳で免許を取り、車を持つのがステータスだった時代です。

私は板金志望で就職しましたが、工場閉鎖で整備に回り、その後は自動車部品メーカーの営業へ。23歳の若造が得意先に行っても、最初は挨拶すら返ってこない。でも通い続け、話を聞き、段取りを先回りしていくうちに、少しずつ仕事を任されるようになりました。

徐々に自然体で会話ができるようになり、十年ほどしてようやく「あ、営業ってこういうことか」と腑に落ちました。

たとえば、当日午後3時に納車が決まっているお客様がいる。必要な部品の入荷予定は11時。私は入荷を待って直行で持ち込み、整備→洗車→納車の工程が間に合うように優先順位を入れ替えます。

こうした「相手の困りごとを先回りする」積み重ねで、「助かったよ」と感謝される場面が増えていき、売上も安定していきました。

 

民間出身の自分にもイメージしやすかった

――小笠原さんがSHIPを選んだ理由は何ですか?

小笠原

ハローワークで求人票を見たのがきっかけです。

いくつか候補はありましたが、SHIPにはいい意味で「会社っぽさ」を感じました。福祉の理念だけでなく、業務設計や社員教育、評価やOJTの仕組みが見える。民間出身の自分にもイメージしやすかったんです。

 年齢や資格の有無にかかわらず、未経験でも挑戦できる点も背中を押しました。支援と介護の違いすら曖昧だった私ですが、「まずはやってみてから判断する」タイプ。最終的にSHIP一本に応募しました。

 

初めて防護服を着て勤務した日

――入職してから、どんな経験を積んできたのでしょうか。

小笠原

入職は10月、翌年には新型コロナがグループホーム内で拡大しました。初めて防護服を着て勤務した日の緊張は、今も鮮明です。

二十人規模の入居者様のうち、半数近くが発熱した時期もあり、職員全員で役割を分け、情報を共有しながら対応しました。

個別対応だけではなく「集団を守る視点」が求められる。感染症対策の重要性と、チームで意思決定を合わせる大切さを、体で学んだ期間でした。営業時代では得られなかった視点です。

 

穏やかな表情が最大のフィードバック

――現在の役割と、手応えを教えてください。

小笠原

主任として3名の利用者様を担当しています。言葉でのコミュニケーションが難しい方が多いので、表情や動作、生活リズムのわずかな変化を手がかりに、ニーズを探る日々です。

 ある方と外出支援に出たとき、事前に絵カードで「公園、トイレ、自販機、休憩、帰宅」と流れを共有しました。

結果、不穏な行動が一切出ず、最後まで落ち着いた時間になりました。お礼の言葉はなくても、穏やかな表情が最大のフィードバックです。

正解が一つではない」支援の世界で、小さな成功を積み上げられる瞬間に、深い手応えを感じます。

 

 

見て、試して、振り返る

――どんな利用者様が多いですか?

小笠原

重度の知的障害自閉スペクトラム症のある方が多いです。

視覚支援が有効な方には絵や写真カード、短い言葉で理解が進む方には簡潔な文章カードと個別に最適化を行います。

グループホーム「友」は、担当の枠を越えてアイデアを持ち寄り、試しては振り返る文化があります。

支援の形が一つではないからこそ、学びが尽きません。

 

――そんな支援を実践する際に大切にしていることは?

小笠原

よく見ること」です。先輩から何度も教わりました。顔色の険しさや目線の動き、歩行のつまずき、食事量や睡眠の乱れ。

日常の“基準”を知っていると、違和感の立ち上がりに早く気づけます。

実際に、普段より表情が硬いと感じて体温を測ったら平熱。しかし何となく引っかかりが残り、夕方に再訪して体に触れると熱感があり、測ると38度超。

早めに受診につなげ、数日で回復しました。観察の継続が、安全に直結するのを実感した出来事です。

 

 

 

仮説が外れるリスクを念頭に置く

――それでもうまくいかない場面があることと思いますが、いかがですか?

小笠原

利用者様がジェスチャーや行動で思いを伝えてくださる際に、その意図や訴えを十分に汲み取れないことがあります。

以前スムーズに対応できたことでも、その日の気分や状況によっては対応が合わず、スムーズにやりとりできないことがあります。

言葉でのやり取りが難しい分、こちらの受け取り方が間違ってしまう可能性を常に意識し、「仮説が外れるリスク」を念頭に置いて関わるようにしています。

 

――その課題にどう向き合っていますか?

小笠原

一人で判断しないことです。観察内容や小さな違和感を、職員間でこまめに共有します。

行動だけでなく、生活リズムや健康状態の変化も記録し、総合的に見立てを更新する。

絵カード、写真、ジェスチャーなど複数の手段を組み合わせ、本人の意思をくみ取る工夫を続けています。

今後はヘルプカードの活用も取り入れ、より円滑なコミュニケーションにつなげていけると良いと考えています。

利用者様の表現の意図をより正確に理解できるよう、今後も関わり方や観察を工夫していきたいです。

 

 

職員の信頼と協力が、質の高い支援に

――職場の雰囲気を教えてください。

小笠原

とても相談しやすいです。私は福祉未経験で入りましたが、先輩方は本当に丁寧に教えてくれる。

「そんなことも知らないの?」と言われたことは一度もありません。

人生経験の豊かな職員が多く、互いを尊重しながら意見交換できる。

困りごとを抱え込まずに済むので、支援の質も安定します。

新人でも提案が受け止められる空気があり、学びながら挑戦できるのが「友」の良さだと感じています。

 

――そんな「友」を紹介するなら、どんなポイントをおすすめしますか?

小笠原

「友」は、職員同士の関係性がとても良く、安心して働ける職場です。

お互いに声をかけ合い、相談しやすい雰囲気があり、チーム全体で利用者様の支援に向き合う姿勢が感じられます。

職員同士が信頼関係を築き、協力して支援に取り組むことで、結果的に利用者様にもより良い支援を届けることができると感じています。

この職場なら、「ここで働いてみたい」と自信を持って他の方にも紹介できると思います。

 

福祉の世界は想像以上に人の役に立てて面白い

――小笠原さんの今後の目標を教えてください。

小笠原

現在、実務者研修を受講中で、介護福祉士の取得を目指しています。資格はゴールではなく通過点。

支援の質を上げ、利用者様・ご家族・地域から信頼される存在になることが目標です。

同時に、偏りのない視野を保ちたいです。経験を積むほど「慣れ」が判断を狭めることがあります。初

心を忘れず、学び続けることを意識しています。将来的には人材育成や採用にも関わり、未経験の方が安心して成長できる仕組みづくりにも貢献したいですね。

私自身、50代で飛び込んで「福祉の世界は想像以上に人の役に立てて面白い」と感じています。その実感を、次の挑戦者に手渡したいです。

 

――応募を考えている方へ、ひと言お願いします。

小笠原

「人の役に立ちたい」という気持ちがある方なら、年齢や前職は関係ありません

この仕事に「正解」は一つではありません。だからこそチームで学び合い、支え合いながら成長していけます。

目標に向かって取り組む中で、達成感や喜びを実感できる職場です。

グループホーム「友」には、そのための温かい雰囲気しっかりした土台があります。ぜひお待ちしています。

 


 

ありがとうございます!
ひとつひとつの気づきを大切に、利用者様に寄り添う支援を続ける小笠原さん、
これからも頑張ってください!

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