【職員インタビュー】パンの香りに包まれて、人を支え、人に支えられる仕事「ボンシュシュ」山口さん
利用者様の挑戦に寄り添う中で、スタッフ自身も学び続け、共に前へ進んでいく。
今回は、異業種から福祉業界へと転身し、今ではボンシュシュで多くの利用者様を支えているスタッフの山口さんにお話を伺いました。
福祉の仕事に関心を持つ方に、きっと共感できる部分があるはずです。
我流の支援から一歩先へ「専門性を求めてSHIPへ」
―まずは、これまでどんなお仕事をされてきたのか教えていただけますか?
もともとは青果店で長年働いていました。接客をはじめ、商品管理や売上・利益の管理、新店舗の立ち上げなど、店舗運営に関わる幅広い仕事を経験してきました。やりがいも大きかったのですが、体力的に続けるのが難しくなり退職。
その後、知人の紹介で障がい者向けのグループホームの世話人を始めたのが、福祉の世界との出会いでした。
福祉の仕事に興味を持ったのは、身近に障がいのあるお子さんがいるご家族との付き合いがあったことが大きかったです。自然と「自分も何か力になりたい」という気持ちが芽生えていました。
グループホームでは、利用者様の生活に密に関わる中で、「できなかったことが少しずつできるようになる姿」を間近で見られることに喜びを感じました。
この経験を通じて「もっと長く福祉の仕事を続けていきたい」と強く思うようになりました。
―福祉の仕事を続ける中で、社会福祉法人SHIPに転職された理由は何だったのでしょうか?
グループホームの仕事は本当にやりがいがありました。ただ、働くうちに我流の支援に限界を感じるようになってきました。
利用者様にとってベストな支援をしたいのに、自分の経験や勘に頼る部分が大きくなってしまう。もっと多くの利用者様と関わり、仲間と一緒に学び合いながら、支援の専門性を高めていきたいと思うようになりました。
また、せっかく接客で培った経験を活かせる場所で働きたいとも考えていました。そのとき興味を持ったのが、就労継続支援B型事業所です。
数ある転職先の中でも社会福祉法人SHIPを選んだのは、研修制度や資格取得支援が充実していて、支援の質を徹底して追求している点に惹かれたからです。
そして、パン工房 ボンシュシュを見学したときの雰囲気に心を惹かれました。
普通のパン屋さんのように活気があって、都内でも有数の高工賃を実現している。利用者様とスタッフが同じ方向を向いて取り組んでいる姿をみて、「どうしてもここで働きたい」と思い応募しました。
―これまでに取得された資格や、ご自身の長所・短所について教えていただけますか?
資格としては、介護職員初任者研修 や 強度行動障害支援者養成基礎研修 を修了しています。
長所と短所ですが、小さな変化に敏感に気づけることが自分の強みだと思います。青果店時代、お客様の表情を見て「今、声をかけるべきか」を感じ取る力を磨いてきましたが、それが利用者様との関わりにも活きていると思います。
逆に心配性なところは短所で、考えすぎて行動が遅れることもあります。ただボンシュシュでは、困ったことをすぐに相談できる雰囲気があるので、一人で抱え込まずに働けることはありがたいですね。
可能性を信じ、一人ひとりに寄り添う支援
―実際にボンシュシュでは、どんな役割を担っているのですか?
主に、利用者様のパンづくり等の見守りや声かけ、困りごとの相談対応をしています。
私がとくに大事にしていることは「利用者様の可能性を信じること」です。
はじめから「これは無理」と決めつけるのではなく、「ここまではできるかも」と段階を踏んで挑戦してもらう。その小さな積み重ねが自信につながると信じています。
一人ひとりの得意や苦手を理解し、合ったペースでサポートすることで「安心して通える環境」をつくることを心がけています。
年齢も特性もさまざま「一人ひとりの持ち味が輝く場所」
―ボンシュシュには、どのような利用者様が多いのでしょうか?
精神障害や知的障害、発達障害など、さまざまな特性を持った方が通っています。
年齢層も幅広く、20代の若い方から60代まで。女性の方が多いですが、男性もそれぞれの持ち味を発揮して活躍されています。
パンの成形が得意な方は、まるで職人のようにきれいに形を整えてくれますし、販売が得意な方は明るい笑顔でお客様に接してくださいます。掃除や片付けを率先して行ってくれる方もいて、本当に一人ひとりが持ち味を発揮しています。
「ここで働くのが楽しい」と話してくださる方も多く、時には悩みを抱えることもありますが、一緒に乗り越える中で自信をつけていく姿はとても頼もしいです。
―スタッフの皆さんはお忙しそうですが、実際に、利用者の方々はどのようなサポートを受けられるのでしょうか?
確かに忙しい日もありますが、スタッフは一人ひとりの特性やその日の状態をよく把握しています。
作業の量や難易度を調整したり、困ったことがあればすぐに相談できる体制を整えています。
体調や気分の変化にも気を配りながら、日々の声かけや定期的に個別の面談機会を設けるなど、コミュニケーションをとても大切にしています。
安心して働ける環境を整えることが、私たちの大事な役割です。
―転職理由のひとつとなっていた「支援の専門性」については、SHIPに入社してから変化を感じていますか?
―やりがいと大変さ、両方を感じる場面について教えてください。
一人ひとり特性も背景も違うので、「これが正解」という支援はありません。だからこそ試行錯誤の連続で、大変に感じることもあります。
でもその中で信頼関係を築き、「できなかったことができるようになった」と一緒に喜べる瞬間がある。そうした積み重ねは、自分自身の成長にもつながっています。
また、「自分たちの作ったパンをお客様に手に取っていただける瞬間」はボンシュシュでしか味わえない喜びです。
焼き上がった香りが広がる中で、商品が並び、お客様が笑顔で買ってくださる。その喜びを利用者様と一緒に共有できるのは、この仕事ならではの魅力です。
―最後に、これから支援者として働きたいと考えている方へメッセージをお願いします。
ボンシュシュは「ただの作業所」ではなく、利用者様と一緒に本気で働く場所です。
日々の支援を通じて、自分の専門性を磨ける環境が整っています。研修や資格取得のサポートもあり、仲間と一緒に学び合いながら成長できるので、福祉の仕事を本気でやりたい方にはぴったりだと思います。

国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー上級受講中・TFTパートナーなど
『努力すること』と『執着を手放すこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中