某企業にて研修講師を担当しました!
本日、某人材開発会社の社長さんからのご紹介で、外部の研修講師を務めさせて頂きました事務局の上田です。
講師を務める際は、いつも逃げ出したいくらい緊張します。しかも、今回の対象者はリーダー層の皆さまです。このような極度の緊張は、自分ごときが人様の前で話すなんて無理だよぉ…といった不安に囚われるため起こります。半面、完璧な研修内容と完璧な講師を務めたいという強い願望の裏返しでもあります。いわゆる神経症のようなものです。不安だからといって休む訳にもいきません。「緊張するのはしょうがいない」と気分をあるがまま受け容れ、何とか勇気を振り絞って現地に行きました(恐怖突入)。そして、なんとか2時間半の講師を全うすることができました。ふぅ…
終わってみると「自分もやればできるんだなぁ…」という感想です。気分の検討は、成すべきことをする前だと悶絶し、やった後にすると自信につながります。つまり、自己評価は、気分を評価するのではなく、行動を評価したほうが建設的ってことです!
さて、今回は、某特例子会社のリーダー社員の皆さま向けに『発達障害の特性(自閉症スペクトラム障害を中心に)』&『構造化の必要性』についての講義をしましたので、少し内容をご紹介したいと思います。
<発達障害の有病率は?>
発達障害のある人に出会うと、見た目には困難さがあるとは想像もつかないことがしばしばです。発達障害についての勉強を深めている私も見た目だけで判断できません…
2012年に文科省が全国の公立普通小中学校の生徒5万人を対象にした大規模な調査を行ないました。この調査は『発達障害の可能性がある』とされる生徒が通常学級にどの程度存在するか?というものです。※発達障害=自閉症スペクトラム障害・注意欠如多動性障害・限局性学習障害のこと
結果は、6.5%という高い数値が発表されました。つまり、15人に1人 は発達障害かもしれない…ということです。
上記の生徒は、受診しないまま大人になるケースが多いでしょう… そして、大人になった時に「なんか上手くいかない」というストレスから、うつ病などを発症してしまうかもしれません…
本当は発達障害が原因なのにうつ病などの二次障害が診断されることを『重ね着症候群』と呼んだり、大人になってからはじめて発達障害の診断を受けることを『大人の発達障害』と呼んだりします。
この度、特例子会社の研修担当の方と研修内容の事前打ち合わせを進める中で、うつ病や神経症などの診断のつく人が多く働いているけれど、もしかしたら発達障害がベースなのかも…もしかしたら重ね着症候群?という意見が交わされました。
そんな経緯で、今回の研修は『発達障害の特性』&『構造化の必要性』になったのです。
<どんな研修をしたか?>
1、講師の自己紹介:自分の取扱説明書を使っての自己紹介
2、障害種別クイズ:手帳ベースの障害種別+発達障害→合理的配慮の必要性を提起
3、3障害の概略説明:身体・知的・精神障害+発達障害の簡易的に説明
4、自閉症スペクトラム障害の特性:脳機能の特徴から考察
5、自閉症スペクトラム障害の認知特性:物事のとらえ方・考え方の違いから考察
6、自立の定義:仕事における自立とは?を提起
7、構造化:タスク管理の視点から仕事の発注方法とコミュニケーション方法を考察
8、まとめ
<研修を終えて>
受講者の皆さま、とても熱心に参加して下さったのでとても嬉しかったです。構造化のワークでは、実際に仕事を振ることを想定しながら明確な指示をおこなう練習、次にその仕事をおおよそ10段階のプロセスに分ける分解作業を練習しました。
自閉症スペクトラム障害のある人は、曖昧なもの・見えないものへの理解が困難な特性があります。仕事を振る・受けるのファーストアクションの際、曖昧な仕事を明確に見える化することがどれほどの助けになるのか?自分なりに一生懸命お伝えさせて頂きました。
このような構造化やコミュニケーションの工夫は、多数派(健常者)の人達が、少数派(発達障害)の人達の文化に合わせていく合理的配慮の一環であることも強調して伝えさせて頂きました!
また、見た目に分からない自閉症スペクトラム障害を脳の機能の違いから紐解いていくことで、治そう・正そうとするのではなく、お互いに『違い』として受け容れるキッカケになったのでは?と感じています。
<自分の取扱説明書って?>
私は、障害があろうがなかろうが、誰もが自分のことをよく知り、また自分のことを分かってもらえるように伝える必要があると考えています。つまり『自分が自分の専門家』になるということです。
本研修では、受講者の皆さまにサンプルをお見せして「作成してみては?」と促したりもしました。
私の場合、複数の心理テストを受けたり、人生の棚卸しとして自分史をつくってみたり、しくじった経験から学んだことをまとめたりを繰り返し『自分の取扱説明書』を作成しています。
ただ残念なことに取扱説明書は読んでもらえないと意味がありません。そこで、ちょっと工夫を凝らして、電化製品の取扱説明書に酷似させたら面白いかも…?と考えました。
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理事・障害者事業部長
国家資格:公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士
その他:TSM(トラウマセンシティブマインドフルネス)修了・SE™プラクティショナー初級修了・TFTパートナー・ChatGPTエジソン塾1期生・整理収納アドバイザー2級 など
『努力すること』と『環境に助けてもらうこと』のバランスを研究し、自分自身の最適化を目指して精進中