【職員インタビュー】「みんなで地域一番店を目指したい!」『ボンシュシュ』山崎さん

パン工房ボンシュシュで職業指導員をされている山崎(やまざき)さん

19歳から製パンの世界に入り、今年で38年目のベテランのパン職人さんです。

ご自身のキャリアを社会貢献に活かしたいと考え、障害者福祉に興味を持ち、パン工房ボンシュシュのオープニングスタッフとして入社されました。

異業種からのチャレンジと、現在の仕事観についてお話をしていただきました。

 

 

キャリアを活かした社会貢献の方法

――はじめに、福祉業界に携わろうと思った理由を教えてください。

 

山崎

パンの業界で長きにわたって働いてきましたが、仕事人生も少しずつ終わりが近づいてきて「自分のキャリアを社会に還元したい」という気持ちが強まってきました。

そのままパンの業界に従事しながら後進の育成をしていくことも考えたのですが、福祉の業界は より社会への貢献性が高いと感じ、思い切ってこの業界に飛び込んでみました。

 

 

 

――ボンシュシュではどのような役割を担っているのでしょうか。

 

山崎

職業指導員として、主にパンの製造全般の指導を担当しております。

利用者様へ直接指導することが多いので、出来るだけわかりやすく、かみ砕いた伝え方を工夫しながら、わからないこと・出来ないことは何度も繰り返し、優しく、丁寧に、教えていくことを心掛けております。

また週1回、利用者様を対象としたパン教室を開催し、パン作りの基礎を学ぶ機会を設けています。

 

 

 

――実際に、障害のある人たちと一緒に働いてみたり、パンづくりを教える中での感想はいかがでしたか?

 

山崎

利用者の皆さま、とても純粋にパンづくりを楽しみながら作業に取り組んでおられる印象です。

ハンディキャップがありながらも、それをものともせず、ひたむきに作業に取り組む姿勢を見て、逆に自分が勉強させてもらっている毎日です。

ボンシュシュでは、普通のパン屋では味わうことの出来なかった感動を味わっています。

 

 

 

作り手 みんなの想いが詰まったパンづくり

――山崎さんのパン職人としての経歴を教えてもらえますか?

 

山崎

製パンの世界に入ったのは19歳の頃だったので、今年で約38年になります。

最初は何もわからずに始めましたが、気がついたらこんなにも長く続けていました。

パンの製造ももちろんですが、店長の職を長くやっておりましたので、販売や店舗運営においての売上管理なども手掛けてきました。

 

 

 

――パンを作ることの魅力を教えてもらえますか。

 

山崎

パンづくりにおいては主に、仕込み・成形・窯の3つのポジションがあり、それぞれの技術を結集してパンを作り上げます。

どこのポジションが欠けても、良いパンは出来ません。

全ての作り手が最善を尽くして、初めて良いパンが出来上がります。

出来上がったパンは、そこで働く全ての人の技術や想いが詰まっています。

「たかがパン」と思うかも知れませんが、そこに最大の魅力を感じます。

 

 

 

――ボンシュシュで販売しているパンで、山崎さんの『こだわり』の部分を教えてください。

 

山崎

パンの根幹である生地にこだわりを持っています。

厳選した材料と製法を用いて、決して他のパン屋さんにも負けないほどの品質があると自負しています。

多くのお客様より「美味しい!」とのお言葉をいただいております。

 

 

 

みんなの成長が「感動」につながる仕事

――ボンシュシュで働いてみて『大変だったこと』と『やりがい』を教えてください。

 

山崎

利用者の皆さまは、それぞれの障害の特性によって成長のスピードに個人差が大きいという印象があります。

ですので、皆さんで一斉に次のステップに進むことは難しいかもしれません。

自分が当たり前のようにしている製パン技術を、利用者様一人ひとりの特性に合わせて分かりやすく伝えることは想像以上に大変でした。

 

ただ、それもやりがいに繋がっています。

スピードの違いはあれ、皆さんが課題を克服しステップを積み重ねていく姿を見ると、とても感動します。そして達成感を感じます。

その達成感こそが、現在の私のやりがいです。

 

 

 

――今まで働いてきたパン屋と比べて、ボンシュシュのパン屋としての『良い部分』と『もっと成長できる部分』を教えてください。

 

山崎

いわゆるチェーン店などのパン屋と比べて、自由な発想でパンを作れるところは一番の魅力です。

私自身の考案したパンもそうですし、利用者様の考案したパンも商品化することが出来ます。

自分で考案したパンがたくさん売れたりすると、とても嬉しいですし、次へのモチベーションに繋がっていくことは良い部分ですね。

また、職員と利用者様が一体となって『地域一番店を目指す』ところには一番の魅力を感じます。

 

もっと成長できる部分については、開設してまだ10ヶ月しか経っていないので(2023年1月末 現在)、やれることは沢山あります。

とくにボンシュシュの『オリジナルティ』という部分で、この店だから購入できるパンを販売して認知度を高めていきたいと思っています。

 

 

 

――最後に、これからボンシュシュで働こうと考えているパン職人・お菓子職人、そのほか、異業種からの転職者へ向けてメッセージを下さい。

 

山崎

異業種への転職と聞くと躊躇される方も多いと思いますが、ボンシュシュを含めた当法人(社会福祉法人SHIP)は、多くの異業種からの転職者が在籍し、活躍しております。

ゼロからのスタートでも心配はいらないと思いますので、想いがあれば、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

 

 

 


 

山崎さん、ありがとうございました。

優しさの中にも熱い気持ちが伝わってくる山崎さんのお言葉

みんなと目指す『地域一番店』の実現に向けて、これからのご活躍を期待しております!